トトロにラピュタ、かぐや姫―。みんな夢中になった名作アニメの世界を再現した「ジブリパーク」が11月1日、愛知県長久手市の愛・地球博記念公園内に開園する。報道陣向けの内覧会に参加し、いとしのキャラクターたちと一足早くふれ合った。
公園のメインゲートを抜け、芝生や池に囲まれた園内を進むこと10分。巨大な展示場のような建物が現れた。踏み入ると、ジブリ作品らしい青やオレンジの家屋が立ち並び、頭上にはラピュタの飛行船が飛ぶ。メインエリア「ジブリの大倉庫」だ。
内部はまさに歴代作品の大博覧会。湯婆婆(ゆばーば)の執務室、アリエッティの小人の家、ラピュタの天空の庭などが再現され、「ジブリのなりきり名場面」といった企画展示を繰り広げている。訪れた人は満開の桜の下でかぐや姫になりきって舞い、「カオナシ」と一緒に電車に乗って記念撮影。短編作品の上映室もある。
食事シーンで思わずつばをのんだ“ジブリ飯”の展示も楽しい。千尋の両親がかぶりついた肉や魚料理が山盛りで並び、サツキとメイのお弁当も彩りよく実においしそう。「風立ちぬ」に登場したカステラ菓子「シベリア」は園内で食べられる。
今回オープンするのは、ジブリの大倉庫のほか、トトロの舞台をイメージしたエリア「どんどこ森」と、映画「耳をすませば」「猫の恩返し」がテーマの「青春の丘」の計3エリア。来秋以降に「もののけの里」「魔女の谷」の2エリアもお目見えする。
宮崎駿、故高畑勲監督(岡山市出身)を両輪に、日本のアニメ界をけん引してきたスタジオジブリの集大成ともいえるパーク。企画・監修を担う宮崎吾朗監督は「父の長編作品からの引退発言が、開園するきっかけの一つだった」と明かす。「ジブリの魅力を詰め込んで、忘れられないようにしたかった」
緑あふれる園内を自分の足で冒険し、お気に入りのキャラクターや建物に遭遇する。作品のワクワク感を見事に表現した公園は、子どもも大人もとりこになるに違いない。
ジブリパーク 愛知県が整備し、スタジオジブリと中日新聞社が設立した「株式会社ジブリパーク」が管理運営する。「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」の3エリア(計3.4ヘクタール)がオープン。2023年秋に「もののけの里」、24年3月に「魔女の谷」も開園予定で、総面積は7.1ヘクタールになる。エリアごとに入場料が必要で、事前予約制。ジブリの大倉庫は大人(中学生以上)は土日祝日2500円、平日2千円、他の2エリアは全日千円。4歳~小学生はいずれも半額。3歳以下無料。