さらば昭和レトロな遊園コーナー 池田動物園、31日限りで閉鎖

31日で閉鎖される池田動物園の遊園コーナー

 池田動物園(岡山市北区京山)の一角に30年以上前からある「遊園コーナー」が31日をもって閉鎖されることになった。バブル期に開設され、ゲーム機や乗り物などが多く置かれた昭和レトロな雰囲気で根強い人気があり、惜しむ声も聞かれる。

 コーナーは園の中央のキリン舎の隣にある。設置は1988年。当時はバブル期で、大型の乗り物を園内に置くなど動物園をレジャー施設化して誘客拡大を図る動きがある中で置かれたという。

 ぬいぐるみや菓子をアームでつかむ「クレーンゲーム」、空気で浮いたパックを台の上で打ち合う「エアホッケー」、アニメキャラクターの乗り物など約50台。人気漫画「キン肉マン」のスロットゲーム、高さ1メートル超の大きな「黒ひげ危機一発」など懐かしさを覚えるものもある。

 ただ、園によると、次第に利用者が減り、新型コロナウイルスの感染拡大で2020年から来園者自体が減少。老朽化したゲーム機などの更新も難しく、閉鎖を決めた。

 入り口近くのクレープ店員(59)=南区=は「今でも乗り物の充電が追い付かなくなるくらい子どもたちでにぎわうこともあるから残念」と寂しがる。

 園はコーナー閉鎖後、12月末までにゲーム機や乗り物を撤去する方針。建物は残し、新たな活用策を検討中で、赤迫良一総務部長は「幅広い世代に長年愛されただけに閉鎖は残念だが、動物園の新たな魅力を発信する場として生まれ変わらせたい」と話している。

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