菅野志桜里氏に聞く女性議員活躍の実情とは?女性総理はいつ誕生する?誰がなる?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

本記事は10月28日公開の動画の内容を基に構成しています。

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2022年10月28日に公開された動画のテーマは……菅野志桜里氏に聞く!女性議員活躍 初の女性総理はいつ誰に?

ゲストに弁護士・国際人道プラットフォーム代表の菅野志桜里氏をお招きし、候補者男女均等法成立後の選挙の変化や女性政治家が置かれている状況について語っていただきました。

【このトピックのポイント】
・2022年参院選では女性候補が181人で過去最多を記録するも自公では女性候補者の割合が伸び悩む。そこには大政党ならではの問題も
・男性議員ばかりの議員では議会運営や政策に偏りが生まれる弊害も。MC鈴木「絶対男女半々でないとだめ」
・女性総理誕生はまだ早い?菅野氏「国家の土台となる分野を担当する女性議員の層が厚くなった時に初めて女性総理が生まれる」

2022年の参院選では過去最多の181人の女性が立候補

国会や地方議会の選挙で男女の候補者の数をできるだけ均等にすることを目指す「候補者男女均等法」が2018年に作られました。成立後初めての参院選では過去最多となる181人の女性が立候補し、当選数も35人と過去最多となりました。

野党が女性候補者を増やす一方、自民党・公明党は女性候補者が2割前後とまだまだ少ない状況が続いています。

菅野氏はその原因として「ジェンダーに対する理解不足」「新しく女性チャレンジャーを入れていく枠がない」という2点を挙げました。

議席を多く持つ大きな政党には現職の議員や、次の選挙で候補者となる選挙区の支部長がすでに控えており、女性候補者を新しく入れ込んでいくのが難しいという事情があります。

この状況を変える方策として、菅野氏は「現職含めた党内予備選挙の義務化」を挙げました。

菅野氏は、アメリカで白人のベテラン議員を予備選で破り候補者のポジションを勝ちとったオカシオ・コルテス議員を例に挙げ「政治には有権者をひきつけるドラマが必要だと思う。予備選挙によって、そういう政治ドラマに支援者みんなが参加していけるということも日本の政治にもいい影響があると思う」と解説しました。

一方、都民ファーストの会から立候補し東京都議を4年間務めたMC鈴木は「(議会は)絶対に男女半々でないとだめだと思った」と続けます。

MC鈴木によると議会の運営に始まり、政策の柱の作り方やその優先順位に至るまで従来のものはすべて男性目線だと感じたとのこと。

MC鈴木「男性ばっかりのところで議論しているのですっごく偏っているんですよ。しかもたぶん無自覚なんです」

さらに、話題は議員の年齢や任期に移ります。

男女だけでなく年代も分散したほうがいいとするMC鈴木に対し、菅野氏は任期制限を設けること提案。「自分の選挙区を既得権にして長く議員を続けていくのはやめた方がいい」とコメントしました。

任期について、MC鈴木によると議員の中には「任期を重ねるほど仕事ができる」「総理にならないと自分のやりたいことはできない」という考え方があるようです。しかし、経験者の菅野氏やMC鈴木は「それ本当なんですかね?」と揃って懐疑的。

MC鈴木は「政策提案の内容がしっかりしていれば1年生でも通るし、党内で吸い上げる仕組みがあれば問題ない。自分は障害を感じたことはない」と経験を例に挙げ、任期と仕事は比例しないと断言します。

菅野氏も国会議員2期目で政調会長を務めており、MC鈴木の言葉を証明する人物といえるでしょう。

菅野氏「一般の有権者は『1期目から仕事してください』と思っていると思うんですよね」

イタリアでは初の女性首相誕生 伝統の引継ぎも

海外に目を向けると、イタリアでは初の女性首相が誕生し、10月23日にはローマの首相府で前首相との引継ぎが行われたとのことです。

海外と日本では政治への女性進出の度合いに差があるように感じられます。菅野氏によると海外では男女比率について罰則を設けるなど、女性議員を作らざるを得ない状況があるとのこと。

フランスの地方議会では男女ペアでないと立候補できないため、ほぼ確実に候補者の女性比率が半分になる仕組みになっています。

菅野氏は日本の状況について「法律を作ってみたものの努力義務では、一部の党では男女比率は減っているという事実ができてしまった。もう少し(罰則等)強めていかないといけないという動きは超党派の議連でも起きている」と解説しました。

さらに、日本の女性政治家が置かれている状況について菅野氏は「女性議員は子育てをはじめとした女性政策に押し込められやすい」と感じたとのこと。その上で「女性政策も大事だけど憲法や外交に自分から手を上げていかなければと思っていた。そうでないとその仕事が来ない」と自身の経験について語りました。

最後に、女性総理誕生の時期について菅野氏は「早ければいいというものではない」とコメント。

菅野氏「リーダーは外交や経済、安全保障など骨太の分野に精通している人がならないといけない。そのために女性議員にそういう国家の土台みたいな分野を担当してもらって、その層が厚くなった時に初めて女性総理が生まれるし生まれるべきだと思う」「女性議員や女性総理が消費されるのは嫌だっていう感覚も若干ありますね」

動画本編はこちら!

日本で女性議員が増えにくい原因は?男性議員ばかりの議会の弊害とは?議員経験ありの菅野氏とMC鈴木が実体験を熱弁!

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