兵庫県と神戸大学大学院医学研究科附属感染症センター臨床ウイルス学分野の森康子教授らの研究グループは、新型コロナウイルスのオミクロンBA.5を含む様々な変異株に対して有効な「ユニバーサル中和抗体」を開発したと発表した。新たな抗体医薬への応用が期待できるとしている。
ワクチンを2回接種した人の血液から遺伝子抽出、抗体生成
研究グループは、初期に流行した欧州株に感染歴があり、新型コロナウイルスmRNAワクチンを2回接種した人の血液から抗体遺伝子を取得。その遺伝子を基に10種のヒトモノクローナル抗体を生成し、それぞれの変異株に対する抗体価を調べた。そのうちのひとつ(MO1と呼称するもの)が、デルタ株やすべてのオミクロン株に対し、高い抗体価を示したという。
研究グループでは、この抗体が現在広まっているほとんどの変異株に対して高い抗体価を示したことから抗体医薬への応用が期待できるとしており、実用化にむけて研究を進展させるとしている。