小室哲哉プロデュース!限定【90年代の冬うたランキング】ベスト10   どことなく冬が似合うメロディーラインは “小室” ならでは!

90年の冬うたを小室サウンドで再チェック!

原田知世が主演をつとめた映画『私をスキーに連れてって』が大ヒットしたのは1987年。世の中はバブル絶頂期で、スキー場は自然のレフ版ができることもあり、男女が知り合う絶好の場所でした(笑)。やがて90年代に突入し、バブルは弾けてしまいましたが、スキーブームは一向に鎮まることはありませんでした。

JRが「JR ski ski」キャンペーンを打ち出したのが1991年。最初のキャンペーンソングだったZOOの「Choo Choo TRAIN」はミリオンセラーを記録する大ヒットになっています。空前のスキーブームだったわけですから、当然スキー用品も売れるわけで、スキーメーカー大手の「アルペン」も黙っているわけがありません。1989年からゲレンデの男女の恋愛模様を描いたCMがスタートし、1993年にCMソングに起用された広瀬香美の「ロマンスの神様」がダブルミリオンに迫る大ヒットになりました。80年代に比べて、クリスマスはホテルで過ごすより、ゲレンデで過ごしたいと思っていたカップルは多かったように思います。

ということで、今回のテーマは「小室哲哉プロデュース!限定【90年代の冬うたランキング】ベスト10」。小室さん関連の冬うたをランキング形式でお届けして参ります。90年代に青春時代を送ったみなさんは、様々な場面に小室サウンドが流れていたのではないでしょうか。友達とカラオケで歌ったり、わけもなく寂しくなった時に聴いた曲もあると思います。そんな90年代の冬をちょっと思い出すお手伝いをさせて下さい。

第10位:CHRISTMAS CHORUS / 小室哲哉

1989年12月1日リリース
90年代に入る直前に発売された、小室哲哉のクリスマス向けのシングルです。アルバム『Digitalian is eating breakfast』の先行シングルで、もちろん小室さんが歌も歌っています。アルバムは本格的にシンクラヴィアを使用し、TM NETWORKを含めて初めてギター以外のドラム、ベースなどは全て打ち込みで構成されたアルバムです。

アルバムタイトルにある「digitalian」は「デジタル」と「ベジタリアン」を組み合わせた造語だそうです。その後、90年代は小室サウンドが日本中を席巻する存在になっていくとは、この時は誰も想像していなかったと思います。

第9位:DEDICATED TO YOU / Kiss Destination

1999年12月1日リリース
90年代最後の冬に発売された、Kiss Destinationのシングルです。ボーカルのAsami(吉田麻美)はdos(ディー・オー・エス)のダンサーasamiとしてデビューしましたが、当初は “TRUE KiSS DESTiNATiON” がユニット名でした。

アルバム『GRAVITY』からのリカットシングルとして発売された曲ですが、「もろびとこぞりて」「きよしこの夜」の一節を引用している冬歌です。当時流行していたR&Bサウンドが印象的な1曲です。

第8位:Let's Play Winter / hitomi

1994年11月25日リリース
もしかするとhitomiは「CANDY GIRL」でデビューをしたと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの冬うたでデビューをしているんですね。

hitomiは「好きな人とスノーボードに行く時はどんな風だろう」と思いながら歌詞を書いたそうですが、この時代にはスキーとスノボー派に分かれて来ていたので、スキーはだんだんおじさんのスポーツになってしまった印象が。ちなみに自分はスキーしかできません(笑)。

第7位:Can't Stop Fallin' in Love / globe

1996年10月30日リリース
今回のランキングはあえて発売日を記載しているのですが、11月から1月にかけて発売される曲というのは、たいてい冬をテーマにした歌が多いので、あえて記載してみました。

この曲は同じ年に発売された「DEPARTURES」と同様、「JR ski ski」キャンペーンソングとして起用されました。とてもメロディアスなダンス系バラードで、サビの部分のKEIKOのファルセット部分が切なくてたまりません。globeが初出場を果たした『第47回NHK紅白歌合戦』で披露された曲でもあります。

第6位:all night long / 鈴木あみ

1998年11月5日リリース
『ASAYAN』(テレビ東京系)の「ボーカリストオーディション・ファイナル」で1位となり、小室プロデュースでデビューしたシンデレラガール、あみ〜ゴこと鈴木あみ(現・鈴木亜美)ですが、最近は激辛のYouTubeも大好評です(個人的によく見てるので)。

3枚目のシングルとして発売されたこの曲は、アルペンのブランドのひとつでもある「kissmark」CMイメージソングとして起用されました。この時期の小室さんはトランスに傾倒していたので、トランスをベースにしたサウンドに。あみ〜ゴはかなり難易度の高い楽曲を歌っていたんだと、今になって改めて思います。

第5位:a walk in the park / 安室奈美恵

1996年11月27日リリース
小室系サウンドで最も高いセールスを誇ったのが安室奈美恵ですが、この曲が発売された時期は街中にアムラーが出現! ミニの制服に、ルーズソックスを履いた “日サロ焼け” した女子高生をたくさん見かけました。

この曲は小室プロデュースの4枚目の1位にあたる楽曲で、「冬のポケット リップクリーム」という歌詞が印象的です。ちなみに、この次に発売されたシングルがあの大ヒット曲「CAN YOU CELEBRATE?」です。

第4位:White Key / 鈴木あみ

1998年12月16日リリース
今回のランキングの2曲目にランクインしたのが、あみ〜ゴのシングルです。「all night long」同様、アルペンのブランドのひとつでもある「kissmark」CMイメージソングとして起用されました。

発売日を見ていただければおわかりになると思いますが、前作の「all night long」から1か月後の発売だったんですね。当時の小室さんの忙しさを垣間見ることができますね。

第3位:寒い夜だから・・・ / trf

1993年12月16日リリース
先日、リマインダーにtrfのコラム『結成30周年のTRF、90年代を席巻する小室哲哉とエイベックス伝説の始まり!』を書かせていただいたのですが、それをDJ KOOさんが読んでくださってTwitterで拡散してくださいました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

trfの冬うたといえばこの曲を思い浮かべる方も多いと思いますし、サビの部分はきっと誰もが歌えると思います。この曲は5枚目のシングルとして発売され、初めてTOP10を果たした記念すべき1曲です。小室さんが寒空の中、スタジオから自宅に自転車で帰る途中で浮かんできたフレーズだそうですが、なんとなく実感がこもってますよね(笑)。

第2位:I BELIEVE / 華原朋美

1995年10月11日リリース
小室さんと言えば、朋ちゃんを思い浮かべる方もきっと多いと思います。90年代の小室さんと朋ちゃんの関係は、昭和にはなかった新しいスタイルだったと思いますし、とても素敵な関係でした。

この曲は朋ちゃん2枚目のシングルで、最高位は4位だったものの見事ミリオンセラーを達成した大ヒット曲です。

 冬の街凍えてた
 寒い夜を憎んでいた

… の歌詞が印象的です。

第1位:DEPARTURES / globe

1996年1月1日リリース
小室系の冬うたランキングの1位は、迷うことなくこの曲を選んでみました。「Can't Stop Fallin' in Love」同様、「JR ski ski」のCMソングとして起用された曲です。サビから始まる「どこまでもー♪」のフレーズは、果てしなく続く雪景色を思わせます。

キャラクターに俳優を起用したのもこの曲が初めてで、竹ノ内豊と江角マキコがCMやポスターに登場しています。キャッチコピーは「ラクに行こう」。当時手ぶらでも行ける『ガーラ湯沢』という日帰り専用のスキー場が流行していたので、このようなコピーになったのだと思います。自分も日帰りでガーラに滑りに行ったことがありますが、滑りながら、「どこまでも―♪」と歌っていたと思います(笑)。

―― ということで、「小室哲哉プロデュース!限定【90年代の冬うたランキング】ベスト10 」をお届けしてまいりましたが、お楽しみいただけましたでしょうか?

選んでいて思ったのですが、小室さんのメロディーは切ないメロディーラインが多いので、どことなく冬が似合ってしまうような気がします。もちろんこの他にも多くの冬うたがあると思いますが、今回はシングルとして発売された曲の中からセレクトしてみました。

是非、この機会に小室サウンドによる冬うたをチェックしてみて下さいね。現場からは以上です!

カタリベ: 長井英治

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