「警察じゃけぇ 逃げんといて」 密着! 歓楽街の「客引き」取り締まり 強化のワケは… 広島・流川

広島市中区・流川…。中四国最大の歓楽街にもコロナ禍で減った人通りが少しずつ戻ってきました。

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しかし、それに伴って、決して歓迎できない犯罪も…。風営法違反や県の迷惑防止条例違反で摘発された客引きの件数は、コロナ禍の2020年は前の年の半数まで減少していました。しかし、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着くとともに再び、増えてきているといいます。

広島中央警察署 生活安全課 松村美彦 課長
「流川・薬研堀地区、こちらの歓楽街についてもコロナ禍の前のにぎわいを取り戻しつつあります。客引き・飲酒にからむ事件・事故の増加が懸念されます。事故防止に十分配意しながら、厳正な対処をお願いします」

課長の激励を受け、捜査員たちは夜の街の取り締まりへ…。同行し、密着取材をしました。

コロナ禍で大きな打撃を受けた歓楽街。全国旅行支援が始まるなど、人通りは徐々に回復の兆しを見せています。

歓楽街を管轄する広島市中区の新天地交番と弥生町交番の犯罪認知件数を、コロナ前の2019年と比較すると、2020年・2021年は減少していますが、ことしはすでに先月末の時点で去年の件数を超えています。

歓楽街は飲酒もあるし、トラブルも起きやすい場所です。警察による客引きの取り締まりに密着取材しました。取り締まりを強化する理由とは?

一般の人と変わらない格好をして捜査員たちが、夜の街をパトロールします。歩いていると、さっそく…。

声かけ男「何かリクエストあれば…」

捜査員「リクエストねえ」

声かけ男「それに合うような感じのほうを…。今はもうご飯とか行ったんですか?」

捜査員「どうしようかなと思ってね」

声かけ男「じゃあ、グルっとして、何かあれだったらお願いしますよ」

捜査員「また」

声かけ男「お願いします」

声をかけてきた男たちは、警戒しているのか、客のほうから飲食店や風俗店への紹介を依頼させるように水を向けます。捜査員たちは、違反行為にあたるかどうか、慎重に見極めながらパトロールを続けます。

そして、街がにぎわってきた夜9時すぎ…。

声かけ男「こんばんは。どうぞ。よかったら案内所やってるんで。何系 探してます?」

男が、路上で捜査員たちに声をかけ、風俗案内所に入るよう誘ってきました。

声かけ男「よかったら1回、作戦会議をお願いします! あかんかったら全然、女の子のお店っすよ。あかんかったら出てもらって…。どうぞ!」

県の迷惑防止条例違反の疑いが強まりました。

捜査員「警察じゃけぇ、客引き」

声かけ男「えっ」

捜査員「客引き。警察じゃけぇ、逃げんといて」

声かけ男「ええー。マジかよ」

捜査員「警察よ。警察迷惑防止条例違反っていう犯罪になるけえね。持ち物だけ見させてもらう」

声かけ男「おおーい」

捜査員「逮捕になるけえね、どうしてもね。しょうがない」

声かけ男「タバコだけ吸わせて」

捜査員「タバコ吸えん、吸えん。もう逮捕じゃけえ」

声かけ男「ちぇ!」

捜査員「逮捕じゃけえ、しょうがないよ」

男を現行犯逮捕です。

声かけ男「そんなに捜索されんの? そこまでいくんか」

捜査員「そうなんよ。客引き、けっこう、そこまでいくけえね。たぶん、けっこう簡単だと思っていたと思うんじゃけど。ちなみに従業員名簿ってどこにあるん?」

声かけ男
「出すからー」

捜査員「(客引きを)認めとるってことでいいの?」

声かけ男「さっさと捕まえてくれ」

男は、その場で容疑を認めました。

捜査員「行こうか」

声かけ男「行きます」

捜査員「じゃあ、行こうか」

声かけ男「はい」

捜査員「いったん手錠かけるけえ」

男を連れた車が、繁華街を離れました…。

― 水際対策の緩和や旅行支援などで観光客は少しずつ戻りつつあるということですが、一方で、県警は、あらためて繁華街での客引きの取り締まりを強化しているということです。

広島中央警察署 生活安全課 松村美彦 課長
「来年はサミットが控えています。広島の名前が世界にというところもあるので、歓楽街もどなたも十分楽しんでいただいて、(広島の街は)よかったなと思ってもらえるよう治安維持は広島県警 一丸となってやっていこうと思っています」

― これから来日外国人も増えるだろうし、今週末はハロウィーンもあります。今回は、コロナが去年・おととしに比べ落ち着いている中でのハロウィーンということで、若者などの盛り上がりが度を過ぎたものにならないかといったことにも警戒を強めているということでした。

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