少子高齢化の原因は? 神戸の老舗ホテルが関西初の婚活事業に乗り出した

今、世界中で「持続可能な社会」に向けた取り組みが盛んに行われているが、持続可能な社会とは何も、エネルギーや自然環境の問題だけの事ではない。少子高齢化も、人類存続にかかわる大きな課題だ。

 とくに日本は超高齢化社会に突入したといわれて久しく、さらに今後40年で高齢化率は約10%も上昇することが見込まれている。このままでは高齢者人口を支える生産年齢人口の負担が増大していくばかりだ。

 そもそも、少子高齢化の原因は何だろうか。少子高齢化の主な原因として考えられるのは、未婚化、晩婚化、そして夫婦の出生力の低下だ。結婚や出産に対する価値観の変化や子育てに対する不安や負担感、経済的不安定の増大などが重なり、国民の全てが結婚をする、結婚できるという「皆婚社会」がいま、崩れつつあるのだ。

 ところが、その一方で、結婚に対する意識自体は決して後ろ向きではない。

 国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに調査している「出生動向基本調査」によると、「一生結婚するつもりはない」と回答した人の割合は、男性5.4%、女性5.0%に過ぎず、未婚者の約9割が「いずれ結婚するつもり」と回答しているのだ。

 では、どうして結婚しない人が増えているのか。その一つの理由として考えられるのが「出会い」の機会が減少したことだろう。仕事が忙しかったり、住んでいる地域に若者が少なくなったり、とくにコロナ禍においては外出する機会も激減している。リモートでは恋や愛は発展しにくい。

 近年ではアプリなどを利用した出会いも話題になっているが、実際に結婚までに至る出会いはやはり、生活の中で自然に出会った者同士が多いようだ。以前は抵抗感が強かった婚活サービスも現在は定着してきており、今や未婚者の9人に1人以上が何らかの婚活サービスを利用、もしくは登録しているといわれるほど、真剣に結婚を考える場として活用されているようだが、業者によってサポート体制などにもばらつきがあり、利用者は不安も抱えているようだ。

 そんな中、神戸・ポートアイランドで開業以来40年以上の歴史を持つポートピアホテルが日本最大級の結婚相談所ネットワーク「日本結婚相談所連盟」と協働し、関西のホテルで初となる結婚相談所「Marriage & Life Partners Club」を開設、婚活事業へ進出することを発表、9月30日からサービスを開始しており、早くも話題となっている。

 周知のとおり、新型コロナウイルスの影響はホテル業界を直撃し、同ホテルも例外なく宿泊・食事施設での落ち込みがあったが、そんな中でもポートピアホテルでは新規事業部門を発足し、ホテルならではのホスピタリティとハードを武器に婚活事業に乗り出したのだ。

 関西ではとくに知られた老舗ホテルの安心感と手厚いサポート体制が、婚活サービスを利用するという気恥ずかしさも和らげてくれる上、親も安心すると好評のようだ。もちろん、

 めでたく結婚が決まれば両家の顔合わせや披露宴を行う際の会場手配など、ホテルならではのメリットも多い。しかも、顔合わせ場所や披露宴会場はポートピアホテルでなくても問題なく、利用者の自由となっている点も興味深い。単なるホテルの「新商品」ではなく、ポートピアホテルが乗り出した「新規事業」なのだ。

 こういうサービスや出会いの機会がもっと増えれば、少子高齢化問題にも少し歯止めがかかるのではないだろうか。「結婚に必要性を感じない」という若者が増えているといわれているものの、実際のアンケートでは「いずれ結婚するつもり」が9割を超える矛盾。今の時代に合った、新しい素敵な、安心できる出会いの機会が増えれば「結婚したい」という若者も増えるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)

神戸・ポートアイランドで開業以来40年以上の歴史を持つポートピアホテルが日本最大級の結婚相談所ネットワーク「日本結婚相談所連盟」と協働し、関西のホテルで初となる結婚相談所「Marriage & Life Partners Club」を開設、婚活事業へ進出することを発表、9月30日からサービスを開始

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