「まさか自分が…」79歳でメジャーデビュー 名護の新川良子さん、初のCD「琉球・北山の桜」発売

 【名護】沖縄県名護市大南でカラオケ喫茶を営む新川良子さんが、79歳で歌手としてメジャーデビューする。11月2日に初のCD「琉球・北山の桜」を発売し、同6日に伊差川地区会館で記念コンサートを開催する。新川さんは「まさか80歳を前に、自分が歌手デビューするとは思わなかった。みんなに元気を届けたい」と意気込む。

 新川さんは1943年、日本統治下のパラオに生まれ、戦後名護で育つ。幼少期から歌が好きだった。「ふるさと」などの唱歌や童謡がお気に入り。高校時代には、全校生徒の前で歌うこともあったという。「人前に出るのは緊張するが、いざ舞台に出ればこなすことが性分だ」と自らを解説する。

 音楽プロデューサーで、レコード会社「Earth Record Japan」(名護市東江)社長のジョナさとし(與那敏)さんが新川さんの店に来店したのが、デビューのきっかけとなった。ジョナさんは新川さんの歌唱力を「声がしっかり出ていて、人を引きつけるようなエネルギーを感じた」と評価する。

 ジョナさんがデビューを誘った際、新川さんは「歌は健康法の一環として、友人たちと楽しくやってきた。歌の世界を知らない自分が歌手デビューなんてできるのだろうか」と不安を感じていた。しかし友人から「せっかくのチャンスだから頑張ってほしい」などと励まされ、決意を固めた。

 CDには、名護などの自然を歌った「琉球・北山の桜」と、NPO法人メッシュ・サポートの離島医療支援の活躍を歌った「命の絆~救急ヘリ・メッシュ沖縄~」の2曲が収録されている。税込み千円で全国のレコード店で販売する。コンサートは11月6日午後3時半開場。問い合わせは「Earth Record Japan」、電話0980(43)6664。

(長嶺晃太朗)

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