
和歌山県那智勝浦町の世界遺産・熊野那智大社で29日、温泉旅館の泉源からくみ上げた一番湯を神前に供えて自然の恵みに感謝し、宿泊業の発展を願う「献湯祭」が営まれた。南紀勝浦温泉旅館組合に加盟する宿泊施設の関係者ら14人が湯を入れた朱塗りのたるを手に参列し、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた業界の復活を祈った。
同組合の清水貞吾組合長(64)は「団体旅行や修学旅行が日々増え、宿泊客が戻る兆しが見えてきた。泉質のいい温泉に入って癒やされてほしい」と話した。
同組合によると、加盟する宿泊施設の中には複数の泉源を持つ旅館もあり、さまざまな泉質の温泉が楽しめるという。