沖縄の歴史、年間にどのくらい教えてる?県内小中学校「1~5時間」58%「ゼロ」9% 歴史教育研が初調査

 小中学校の退職教員らで組織する県小中学校歴史教育研究会が28日、県内の全公立小中・特別支援学校小中学部の教員に実施した「沖縄の歴史教育」に関するアンケート結果を発表した。回答を得た200校のうち昨年度、社会科の授業で沖縄の歴史に関する授業を実施した時間が年間で「1~4時間」にとどまった学校が58%(116校)で、「0時間」も9.5%(19校)あった。授業で沖縄の歴史を体系的に学ぶことが困難な実態が浮き彫りになった。

 回答した学校のうち54%(108校)は、社会科の年間指導計画への沖縄の歴史教育の位置づけを県や各市町村に求めている。

 調査は今回初。407校に文書で依頼し、9月中にウェブ上で回答を集めた。約半数の200校から回答を得た。

 「昨年度、実際に社会科の授業で『沖縄の歴史』に関する学習活動(指導)を何時間行いましたか」の問いで、授業を実施した学校のうち最も多かったのは「1~4時間」で58%(116校)だった。「5~9時間」が20.5%(41校)、「0時間」が9.5%(19校)、「10~15時間」が7%(14校)、「20時間以上」が5%(10校)だった。

 「昨年度、社会科年間指導計画の中に『沖縄の歴史』に関する学習活動(指導)の時間を何時間予定しましたか」と問う質問には「1~4時間」が最多で52%(104校)、「5~9時間」が21.5%(43校)、予定していない「0時間」は14%(28校)あった。

 同会は「総合的な学習の時間など、社会科以外で扱った可能性がある」とした上で、「特別授業のような扱いが多い。体系的に沖縄の歴史を学ぶことができていない」と分析した。自由記述では「教師の勉強不足・学ぶ機会の不足」「教材不足」も課題とする声が多かった。(嘉数陽)

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