県が原子力事故想定避難訓練 屋内退避やヨウ素剤配布 上越市でも実施

 県は29日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所での原子力事故を想定した避難訓練を行った。上越市では同原発から30キロ圏(UPZ)にある柿崎、吉川など5区の住民を対象にした屋内退避訓練、柿崎区下黒川地区18町内の住民を対象にした安定ヨウ素剤配布訓練が行われた。
 安定ヨウ素剤配布訓練には約40人が参加。市は下黒川小体育館に集まった参加者に安定ヨウ素剤を配布、その後、市独自の訓練として県がスクリーニングポイント候補に挙げている北陸自動車道上り線の大潟パーキングエリア、避難経由所となるユートピアくびき希望館などを大型バスで回った。同校に戻り、東京電力の社員によるスクリーニングを体験した。

市の職員から安定ヨウ素剤を受け取る住民

 訓練を視察した中川幹太市長は「昨年、吉川区で行った訓練の内容を踏まえ、市民が受け付けをする際の流れを変更したところ、スムーズになった。(複数の災害が立て続けに発生する)複合災害のことも考えておかなければならない。どういう訓練をすべきか、今後探っていきたい」と話した。

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