BSS(ぼくがさきにすきだったのに)

「BSS」(ぼくがさきにすきだったのに)とは、好きな人を他の誰かに取られた状況を指し、創作のジャンルとして使われることが多い。バウムクーヘンエンドとはまた違った失恋状態。

「BSS」の意味

「BSS」(僕が先に好きだったのに)とは、好きな人を他の誰かに取られた状況を指し、創作のジャンルとして使われることが多い。

「BSS」という文字は、「(B)僕が(S)先に(S)好きだったのに」の頭文字から取られている。

好意を寄せる相手と親密でなくても、もはや話したことさえなくても使えることが特徴。そのため、一見親密に見えるふたり組がまったく別の相手と結ばれてしまうというバウムクーヘンエンドとは異なる。

「BSS」の由来・語源

恋愛に順番なんて関係ないのだが、「好きだったのに」と終助詞的表現を用いることでも分かる通り、不満だ、悔しいという当人の負け惜しみのような感情が表れている。つまり本当に「先に好きだった」かどうかは関係ない。勝手に取られたと思い、無意味に順番にこじつけているだけである。相手側は何も悪くないのがポイント。

これを一言で済ませると、ただの片思いで、ただの失恋。当ジャンルは好きな人が他者と幸せになっているのを知った衝撃、嫉妬、うじうじした感情を主に取り扱っている。現実に起こりうる事象のため、共感性が高く、心を痛める人も多い。心情にフォーカスしているため、とくに内容に年齢制限はなく、同時に「僕」とあるが性別も関係なく、BLや百合でも使用可能。

それと同時に、「私の方が先に好きだったのに」という女子視点を表すWSSという言葉も存在する。

ただ、BSSやWSSに比べ、大元と言われるR18要素の強い「パートナーが第三者に心身ともに奪われる」NTR(寝取られ)の方が依然として知名度は高い。

「BSS」の活用例

「BSS」の状況例:

・ヒーローAがヒロインBとくっついた時のC(注:BとCの仲の良さは関係ない)

(漫画『魔法少女まどか☆マギカ』におけるC=美樹さやか)

・「ねえ…兄さん、フランシーヌは僕が最初に好きになったんじゃないか…それを…横から…とるなんて…ダメだよ…兄さん…ねえ…」

(漫画『からくりサーカス』白金のセリフ)

こういったBSS状況自体は昔からあり、上記の漫画や、夏目漱石の『こゝろ』が有名。

実際のBSS以外にも、

「NTRて…いや最初から四宮先輩は藤原先輩のものじゃないし」

「正確にはそれBSSってジャンルですね」

(漫画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』22巻 213話 石上優と伊井野ミコのセリフ)

のように、説明で使われる。

ただ、主にしゃべり言葉よりネット上で、「BSS描きました!」「これってBSS?」「#BSS」のように使われる。

また、「BSS」という略称を使う言葉は他にも多々あるため、(僕が先に好きだったのに)とカッコ付きで書かれることもしばしば。地方局・山陰放送(Broadcasting System of San-in)がその例で、インターネットなどで「BSS」と検索すると多々ニュースが出てくる。

バウムクーヘンエンド(ばうむくーへんえんど)とは?(意味)~用語集|numan

「バウムクーヘンエンド」(ばうむくーへんえんど)とは、結ばれそうなほど仲の良い2人組の片割れが、別の相手と結ばれること。

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