新幹線で「戦国の城」巡りも…カード作製へ東日本の自治体が連携 さいたまでフォーラム、つながり強化へ

清水勇人市長(右から3人目)らの対面出席とオンライン参加で開催された東日本連携・創生フォーラム=25日午後、さいたま市大宮区

 東日本の新幹線延伸・開業を契機として、各自治体が地域活性化を議論する「第8回東日本連携・創生フォーラム」が25日、埼玉県さいたま市大宮区で開かれ、19都市が参加した。「東日本でつなぐSDGsアクションプラン」を決定し、持続可能な開発目標(SDGs)による連携都市のつながりを一層強化する。「戦国の城」「安らぎの景色」を共通のテーマとする観光地のカードを作製する事業の実施も決めた。いずれも2023年度に開始予定。

 現在の連携構成都市は28自治体。対面とオンラインによる参加で、さいたま市のほかに盛岡、福島県会津若松、新潟、金沢の4市の市長や副市長らが対面出席した。札幌市や福島市、福井市など14市町はオンライン参加した。

 「東日本でつなぐSDGs」は、さいたま市、会津若松市、群馬県みなかみ町が提案していた。20年度のSDGs宣言を踏まえたアクションプランを決定。連携都市間でSDGsのプラットフォームを設立し、複数の市町村連携による持続可能な観光を推進する。観光のほかに脱炭素などの環境問題でも取り組みを共有して、地方創生につなげていくとしている。

 「戦国の城」事業では、全国統一観光地カード「ロゲットカード」を使用。「安らぎの景色」は名勝や伝統的街並みなどを対象とする。参加都市が作製、配布し、カード収集を目的とした観光客による周遊を促す。北陸新幹線が24年春に福井県内に延伸する計画で、福井市が提案した。

 座長を務めた清水勇人さいたま市長は会議後、「多くの都市と連携して、東日本地域全体の発展のために、互いに協力しながら事業に取り組んでいきたい。ポストコロナ時代の中、事業を広げていける環境ができていると思う」と取材に述べた。

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