深まる秋を味わう1本 ぽろたんなど特産の栗3種使った「栗エール」 産地維持で東松山 来月4日から販売

栗エール「燈影浪漫―TOUEI ROMAN―」

 埼玉県東松山市産の栗を使用した栗エール(発泡酒)が開発された。市の橋渡しで、生産者と加工、製造・販売企業が連携し、誕生させたもので、11月4日から市内の酒店などで販売される。

 東松山は栗の産地。唐子栗組合、ぽろたん管理組合があるが、農家の高齢化などで、徐々に生産量が減少してきている。今回、栗産地を維持するための取り組みとして「栗のビール」を企画した。

 8月下旬、両組合が収穫した栗(出雲、利平、ぽろたんの3種類)を選別、低温熟成させた。9月中旬、市農林公園指定管理者のアイル・コーポレーションが、栗の風味を高めるため焼き栗加工し、協同商事コエドブルワリー(本社・川越市)のCOEDOクラフトビール醸造所(東松山市大谷)に納品、醸造を開始、10月下旬に完成した。

 27日夕方、協同商事の朝霧重治社長とスタッフが森田光一市長を訪れ、完成報告を行った。試飲した森田市長は「全く苦味がなく飲みやすい。後味に栗の味がすっと入る。アルコール度数は控えめで、特に女性の人気を集めそうだ」と話していた。

 栗エールの商品名は、秋の紅葉と夕暮れをイメージしたという「燈影浪漫―TOUEI ROMAN―」(333ミリリットル、アルコール度数3.5%、税抜き448円)。同市の農産物を使ったものはナシの「夏果」、イチゴの「ストロベリーウィートエール」に次いで3点目。

栗エール「燈影浪漫―TOUEI ROMAN―」を手にする森田光一市長(左)と協同商事の朝霧重治社長=埼玉県東松山市役所

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