ももクロがやって来た 上富田町で5年越しライブ実現

奥田誠町長、「ひょうたんせんぱい」と一緒にポーズを決めるももクロメンバー(和歌山県上富田町朝来で)

 人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ(ももクロ)」のライブ「origin(オリジン)」が29日、和歌山県上富田町朝来の上富田文化会館であった。「活性化のきっかけに」と町が誘致を呼びかけ、5年越しに実現。地元の人をはじめ、熱心な「モノノフ(ももクロファン)」が集まり、会場は熱気に包まれた。

 ももクロは、数万人規模のアリーナやスタジアムを満員にするほどの集客力がある。一方で、地方を元気にしようと同文化会館(800席)規模でのライブにも力を入れている。

 上富田町によると、2017年に地方ライブの開催地に立候補。20年春に開催が決まったものの新型コロナウイルス禍で延期。同年秋も再度延期となったため、今回は「三度目の正直」での開催となった。

 堺市から友人と2人で訪れた会社員の女性(23)は「ライブは毎回、元気をもらえる。(一緒に来た)友人は中学の同級生で、ももクロでずっとつながっている」と熱く語った。

 上富田町岩田で電器店を営む神園元気さん(40)は、家族3人で訪れた。「地元にいながら、トップアイドルを間近で見られてうれしい。会場前には地元事業者も出店して盛り上げてくれている。まちにいつも以上の熱気がある」と楽しみにしていた。

 開演直前に4人のメンバーがそろって取材に応じた。玉井詩織さんは「ようやく和歌山に来られてうれしい。非日常を楽しんでもらいたい」、百田夏菜子さんは「前の和歌山ツアーで印象に残った曲も盛り込んだ。全力で盛り上げたい」と意気込みを語った。

 メンバーが上富田町を訪れたのは初めてで「山がきれい」などと話し、自然の豊かさが印象に残ったよう。佐々木彩夏さんは「仕事で白浜のアドベンチャーワールドを訪れたことがある。和歌山へは夏にプライベートでも来たい」と話した。

 今年を振り返った高城れにさんは「コロナ禍で配信中心だったけれど、生のライブを届けられるようになった。来年はもっとライブをしたい」と抱負を述べた。

 モノノフの一人、町総務課長、中島正博さん(59)は「小さな町だって、ももクロのライブを実現できた。大人が夢を持って頑張っている姿を見せることを大切にしたい」と話した。

 奥田誠町長はステージでのトークに参加し、町をPR。「ライブを機に多くの人に上富田町を知ってもらえた」と喜んだ。

入場を待つファンの行列

© 株式会社紀伊民報