県内観光施設 9月利用56%増 6カ月連続で前年実績上回る

 岡山県は県内主要観光施設30カ所の9月の利用者数をまとめた。総数は49万7625人と前年同月比56.3%の増。前年は新型コロナウイルスの緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の適用の影響で落ち込んでおり、6カ月連続で前年実績を上回った。

 県によると、9月末まで展開した大型観光企画「岡山デスティネーションキャンペーン」による集客も総数を押し上げた。ただ、台風や大雨に見舞われたことで伸び率は前月(71.1%)より鈍化。コロナ流行前の2019年同月からの回復率も87.0%(前月94.0%)だった。

 3県民局単位(各10施設)の利用者数を見ると、備前が15万2236人で前年同月の187.7%、備中が19万481人で154.4%、美作が15万4908人で136.1%。国宝の刀剣・山鳥毛(さんちょうもう)の特別展示を企画した「備前おさふね刀剣の里」(瀬戸内市)、3年ぶりに音楽イベント「赤米フェスタ」が開かれた備中国分寺(総社市)などで伸びが目立ったという。

 宿泊施設の抽出調査(35施設)は前年同月比で199.1%、19年同月比で90.7%となり、宿泊利用の活発化もうかがえた。

 県観光課は「10月から政府の全国旅行支援が行われていることに加え、倉敷市の美観地区や岡山市の後楽園に修学旅行生らが訪れており、今後も回復傾向が続くのでは」としている。

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