ブリヂストン<5108>、タイヤ生産停止中のロシア事業を譲渡へ

ブリヂストンの本社(東京・京橋)

ブリヂストンは31日、ロシア事業の譲渡について検討を始めたと発表した。今年3月にロシアでの乗車車用タイヤ工場の稼働停止と新規設備投資の凍結、同国への輸出停止を決めているが、ウクライナ侵攻の長期化などで先行きが不透明な中、事業から撤退する方針を決めた。現地事業主に譲渡する予定で、手続きが完了するまでに数カ月かかると見込んでいる。

ブリヂストンはウリヤノフスク州に乗用車用タイヤ工場を持ち、2016年から生産を始めている。モスクワにある販売会社と合わせ、従業員は約1000人で、生産停止以降も給与の支払いや福利厚生の提供を維持してきた。ブリヂストンのグループ売上高に占めるロシア事業の約2%という。

同社は2022年1~6月期決算で固定資産減損などロシア事業関連損失168億円を計上しているが、ロシア撤退で追加の関連損失が発生する予定としている。

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