「企画が大当たり!店も潤った」売り切れ続出で菓子店もホクホク 将棋竜王戦の“おやつ”で富士宮がフィーバー

10月28、29日と静岡県富士宮市で将棋の竜王戦第3局が行われ、藤井聡太五冠が、挑戦者の広瀬章人八段を下しました。藤井五冠の鮮やかな逆転劇に将棋ファンが沸く中、同じく盛り上がりを見せたのが、2人が対局中に食べたおやつでした。

<モウデルコーヒースタッフ>

「大変お待たせしました。順番にどうぞ」

対局中、藤井五冠、広瀬八段がともに食べたのが「幻の!!『黒いちじく』シュークリーム」。29日、このお菓子を扱う富士宮市の「モウデルコーヒー」の前には開店前から20人以上が列を作っていました。

<客>

「無事に買えた。ありがとうございます」

「朝1時間並んだかいがあった」

「おやつを食べて、どういう対局だったと思い出したいと思う」

自家農園で栽培する希少な黒いちじくを使っているため、1人2個までの制限を設けましたが…。

<モウデルコーヒースタッフ>

「申し訳ございません。黒いちじくのシュークリーム、完売となりました」

20分ほどで売り切れに。

<客>

「残念。早めに来たつもりだったが、みなさんもっと早くて、遅れをとった」

<モウデルコーヒースタッフ>

「電話での問い合わせも結構いただいているし、直接買いに来るお客さんもかなり多くなり、きょうもオープン1時間で全て売り切れてしまって申し訳なかった」

おやつフィーバーは「もちのき」でも。どら焼きの皮にあんこ、生クリーム、フルーツをはさんだ『どらサンド』は、藤井五冠が初日に食べました。店では翌日250個を用意しましたが、客足は絶えなかったといいます。

<客>

「きのうテレビで観て、近くなので、急いでこのタイミング、機会にいただこうと思った」

<もちのき 広報 伊藤博子さん>

「竜王戦で(『どらサンド』を)初めて知ったという人もいるし、初めて富士宮に来たという声もいただいているので、すごくこの対局が富士宮の活性化の一助になった」

地元住民がこよなく愛するおやつも今回、脚光を浴びました。『富士の湧水 黒みつ豆腐』は、浅間大社近くの商店街にある「富士の菓子処 藤太郎」自慢の逸品。相次ぐ予約にホクホク顔です。

<富士の菓子処 藤太郎 後藤 健製造部長>

「この企画が大当たりしたと思うので、富士宮のお菓子屋さんが、ちゃんとそれで潤ったなと実感している」

商店街の仲間もこの大騒ぎをまるで自分のことのように喜んでいます。

<神田商店街 関係者>

「神田通りが、こういうことでもないと話題が盛り上がらない」

Q.商店街の一員としてうれしい?

「うれしい、とてもうれしい」

将棋界最高峰の戦いは、コロナの影響を大きく受けた食の街・富士宮が元気を取り戻すきっかけになったようです。

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