サッカー王国と呼ばれた静岡県からJ1チーム消滅の危機です。明治安田生命J1リーグ。ジュビロ磐田は残留を争うガンバ大阪に敗れ、J2降格が決定。また、清水エスパルスも敗れ、降格1歩手前の崖っぷちに立たされました。
アウェーで17位のガンバ大阪と対戦した最下位のジュビロ。この試合、引き分け以下でJ2降格が決まる厳しい状況でした。それでも奇跡の残留を信じて、地元・静岡県磐田市内の飲食店にもサポーターが集まり、思いを届けました。
勝利が絶対条件のジュビロ。0対0で迎えた後半、ビッグチャンスを迎えますが、決められません。するとその後、途中交代で入ったG大阪の食野に先制点を決められてしまいます。さらに28分には、こちらも途中交代のパトリックにスーパーゴールを叩き込まれ、痛恨の2点目を奪われます。
最終戦に望みを繋ぐため、ジュビロは攻め続けますが、ネットを揺らすことができません。0対2で敗れ、J2降格が決定。わずか1年でJ1を去ることとなりました。
J2を優勝し、挑んだJ1の舞台。選手たちが口にしたのは明確な力の差でした。
<MF 遠藤保仁選手>
「1年間通してやってきたことがまだまだ通用しなかった」
<DF 大井健太郎選手>
「どれかひとつが足りないわけではなくて、チームとしてもクラブとしても力不足だった」
<MF 山田大記選手>
「もう一度クラブとして、未来のために長期的に作り直さなければいけない。ゼロから始めなければいけないと感じている」
早すぎるJ2降格にクラブOBでサッカー解説者の松原良香さんは、得点力と選手の高齢化を指摘します。
<松原良香さん>
「J2から昇格したときは点を取る選手がいた。エースのルキアンが抜けてしまって、一番の点を取るという所がぽっかり空いてしまった。もう一つは高齢化。今の時代はスピードやフィジカルが要求される。相手はすごく早いのに、走れなくてやられてしまう場面が多かった」
3度目となるJ2降格。それでもサポーターはクラブの力を信じています。
<磐田サポーター>
「1年で這い上がりたいですね」
「1年でJ1、それだけですね」
一方の清水エスパルス。勝利すれば、降格圏脱出の可能性もありましたが、後半11分、コーナーキックの流れから鹿島の三竿に決められ、先制を許してしまいます。
エスパルスは後半アディショナルタイム。セットプレーのチャンスにキーパー権田も上がりますが、ゴールは奪えず。ホーム最終戦で痛すぎる敗戦を喫し、自動降格圏の17位に転落。花火が寂しく打ちあがる笑顔なきホーム最終戦となりました。
<GK 権田修一キャプテン>
「残り1試合、僕らが信じてやらないと前向きな結果にはならないと思っている。ぜひ僕らに力を送ってください」
<瀬崎一燿キャスター>
1試合を残し、エスパルスはJ2降格圏の17位。残留争いは、勝ち点差で1の京都と3のガンバ大阪の結果が大きく関係してきます。残留するためには、エスパルスが勝利することが絶対条件です。
残留の15位も入れ替え戦の16位にしてもG大阪が負ける、もしくは京都が引き分け以下というのが条件です。対象の3チーム、もしくは2チームの勝ち点が並ぶ可能性があります。その場合、得失点差の争いになり、それも並んでいる場合は次に総得点数の争いになります。京都の対戦相手はジュビロ磐田。降格は決まりましたが、静岡県勢として頑張ってほしいです。
最終節は全試合同時開始。11月5日(土)午後2時からキックオフ。静岡にJ1チームが残るためには、エスパルスが勝つことが絶対条件です。