県北で24年秋「森の芸術祭」 アートディレクターに長谷川さん

森の芸術祭のロゴデザインを披露する伊原木知事(左)と長谷川さん

 2024年秋に岡山県北部の12市町村で展開するアートプロジェクトの実行委員会が31日発足し、津山市内で設立総会を開いた。名称を「森の芸術祭 晴れの国・岡山」とし、金沢21世紀美術館(金沢市)の長谷川祐子館長をアートディレクターに委嘱。11月から参加作家2人が地域に滞在し、奈義町と津山市で交流行事を開くことを決めた。

 プロジェクトはアートを切り口として県北部に観光客を呼び込み、県全体の消費拡大や交流人口の増加などを目指す。実行委は県やJR西日本岡山支社、津山市など県美作県民局管内の10市町村と新見、高梁市の首長、観光、文化、経済団体の代表者ら35人で構成。会長には伊原木隆太知事が就任した。長谷川さんは国内外で美術展開催に携わった経験を生かして企画、運営を担う。

 アート作品は津山、新見、真庭市、鏡野、奈義町の5市町に設置。奈義町現代美術館(同町豊沢)の岸本和明館長、津山市在住の美術家太田三郎さんが「地域文化アドバイザー」として実行委と地域の連携をサポートする。

 先行する参加作家は、東京を拠点とするAKI(アキ) INOMATA(イノマタ)さんとイタリア出身のジャコモ・ザガネッリさん。約1カ月間滞在し、事前調査や地域交流を重ねる。5日は奈義町現代美術館にINOMATAさん、6、27日は複合施設「INN(イン)―SECT(セクト)」(津山市二階町)にザガネッリさんを迎えてトークイベントを開き、本番への機運を高める。

 総会後の会見で、伊原木知事は「歴史ある町並みや伝統芸能などの地域資源を最大限に生かした芸術祭で、訪れた人に特別な体験を提供したい」と強調。長谷川さんは「森林や農耕など大地から富を見いだす県北の豊かさをアートを通じて見せたい」と意気込みを語った。

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