多摩モノレール延伸へ…東京都が素案を発表 7つの新駅など計画

多摩北部の地域で長年待ち望まれている多摩モノレールの延伸が、実現に向けて前進します。東京都が7キロを延伸する素案を発表し、多摩地域の住民たちの期待が高まっています。

多摩モノレールは現在、東京・多摩地域の上北台駅(東大和市)-多摩センター駅(多摩市)間のおよそ16キロを結んでいます。このほど、東京都は北の終点・上北台駅-JR箱根ケ崎駅前(瑞穂町)間のおよそ7キロを延伸する素案を発表しました。これには7つの駅の新設も盛り込まれています。今後、東京都は都市計画案の策定をするなど、国土交通省の認可に向けて事態が動き出すことになります。

今から24年前の1998年に開業した多摩モノレールはおよそ1年後に多摩センター駅まで開通しましたが経営が厳しい状況が続き、多摩北部への延伸は進んでいませんでした。しかしその後、沿線の都市開発が進んで利用者が増えたことで業績が安定したため、東京都は延伸に向けた取り組みを加速させ、今回の素案発表に至りました。都は、延伸が実現すれば1日の利用者が4万5000人ほど増えると見込んでいます。

街にモノレールの早期開通を訴える看板が掲げられているのが、都内で唯一、鉄道の駅がない市「武蔵村山市」です。武蔵村山市の山崎泰大市長は延伸に並々ならぬ思いを持つ1人です。市役所の庁舎内には、長い歴史を物語る「書」が掲げられています。山崎市長は「当時東京都知事だった鈴木俊一さんから武蔵村山市長に書いてもらった『モノレール元年』という書。武蔵村山にこれから行きますよという意味で『モノレール元年』と書いていただいたもの」といいます。およそ30年前、山崎市長は武蔵村山市の職員で、都庁に出向し、書を受け取る場にも同席していたということです。そして、山崎市長は「今後、都市計画、事業化の手続きを着実に進め、一日も早く開業されることを期待している」と語りました。

市長が延伸への強い思いを持ち続ける武蔵村山市では、延伸計画の素案の説明会が10月18日に開かれました。説明会に出席した市民の期待も高まっているようで「やっぱりうれしい。駅ができれば通勤も大分楽になると思う」「モノレールをよく利用している。瑞穂町方面にも車で行ったりしているので、どのように便利になるのかとても興味がある」などといった声も聞かれました。

多摩モノレールの延伸は今後、東京都が素案に基づく都市計画案を作り、それを国土交通省が認可するか審議します。都の担当者は、順調にいけばこれから3年程度で認可が下りるのではないかと見込んでいます。

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