「活性化の弾みになる」「誇り」 大宮踊と白石踊、住民たちが期待

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関は、盆踊りなどとして伝承されてきた「大宮踊(おどり)」(真庭市)や「白石踊」(笠岡市)など24都府県41件の民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」を無形文化遺産に登録するよう勧告した。文化庁が1日発表した。

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 盆踊りなどとして伝承されてきた国内41件の民俗芸能「風流踊」を無形文化遺産に登録するよう勧告されたことを受け、構成に含まれる岡山県の大宮踊、白石踊を守り伝えてきた住民たちは1日、「活性化の弾みになる」「誇りだ」と喜び、県内初となる登録へ期待を寄せた。

 備中たかはし松山踊り(高梁市)と合わせ、岡山県三大踊りとされる大宮踊と白石踊。真庭市蒜山地域に伝わる大宮踊は、盆前後に寺社など約15カ所を会場に、緻密な紙細工「シリゲ」をつるした灯籠の周囲を人々が囲み、独特の言い回しの音頭と締め太鼓に合わせて繰り広げる。

 1936年に発足した保存会(約80人)が練習会や地元小学校への講習を重ねて継承に努めており、福井章雄会長(74)=同市=は「保存会員の頑張りや地元の人々の理解で登録への道が開けた。蒜山の知名度向上や地域活性化に弾みがつくので非常に期待している」と話す。

 笠岡諸島・白石島に伝わる白石踊は全島民とファンでつくる白石踊会が継承と普及に努めてきた。新暦の8月13~16日の夜、白石公民館に集った地元住民らが「ヨーホイ、ヨーイヤナイ」のかけ声に合わせみやびな舞を披露。7月には観光客向けの体験ツアーで魅力を伝えている。

 島民減少や高齢化による後継者不足の解消に、2017年から本土の公民館で月2回の練習会も開催。河田裕善会長(80)=笠岡市=は「国際的に高い評価を受けたことを誇りに思う。次の世代への継承と技術の向上に今後も励みたい」とした。

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