文系、理系それぞれの視点で「時間」をひもとく 11月に3回「時間学公開講座」

 山口大学時間学研究所による公開講座「時間学への招待」が、11月12日、19日、26日の土曜日に開催される。時間はいずれも午後2時から4時までで、会場は山口県教育会館(山口市大手町2)。聴講は無料。

 「時間」に関して、文系・理系の枠を超えて研究し、その成果を広く一般にも還元することを目指している同研究所の活動の一環。ここ数年は県外での公開講座の実施が多かったため、山口市での開催は約7年ぶりとなる。

 講師を務めるのは、同研究所所長の藤澤健太教授(理系)と、副所長の右田裕規准教授(文系)。各日ごとに共通のテーマを設定し、藤澤さんは「宇宙と時間」、右田さんは「社会と時間」の視点から、それぞれがテーマについて論じる。

▲藤澤健太所長
▲右田裕規副所長

 初回のテーマは「暦」。藤澤さんは「宇宙現象とわれわれの生活」、右田さんは「生活をリズムづける特別な区切り(祝祭日)のあり方」について話す。

 2回目のテーマは「時間を守る」。藤澤さんは「精密時計と宇宙研究の発展」、右田さんは「時間厳守という考えの広まり」について話す。

 最終日のテーマは「進化」。藤澤さんは「宇宙の進化史」、右田さんは「進化論の普及」について話す。

 定員は各日40人だが、同研究所ウェブサイト(http://www.rits.yamaguchi-u.ac.jp/)にある専用フォームからの事前申し込みが必要だ。

 「共通のテーマを設けて、宇宙と社会の専門家がそれぞれの視点で語るスタイルは初めての試み。いつも使っている『時間』について、少しだけ違う視点で考えてみては」と、主催の同研究所(TEL083-933-5848)は聴講を呼びかけている。

 同大時間学研究所は、機械時計が初めて伝来した山口の地で、2000年4月に設立。時間という観点から、研究者間の交流を広げ、新たな「学際領域」を創造し、その成果を社会的還元につなげることを目的としている。

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