3歳男児が死亡、母も…切り付けた母の兄、事前に殺害方法をネット検索・計画 弁護側は心神喪失で無罪主張

さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

 2019年12月、埼玉県さいたま市桜区で妹=当時(24)=とおい=同(3)=を包丁で切り付け殺害するなどしたとして、殺人などの罪に問われた、さいたま市桜区道場、無職の男(29)の裁判員裁判の論告求刑公判が31日、さいたま地裁(佐々木一夫裁判長)で開かれ、検察側は無期懲役を求刑。弁護側は心神喪失で無罪を主張し、結審した。判決は11月7日。

 論告で検察側は、殺害に至った動機や態様は合理的と指摘。「インターネットで殺害方法を検索したり、逃走方法を計画するなど合理的な行動を取っており、自らの判断で殺害した」と述べた。また、精神障害の影響は限定的とし、「極めて残虐で執拗な態様で、計画的かつ強固な殺意に基づく犯行」とした。

 弁護側は、妄想性障害と自閉スペクトラム症の両方を患っており、犯行態様の異常性は「妄想性障害の影響が強かったというほかない」と主張。心神喪失で無罪にし、医療観察を適用するのが適切とした。

 起訴状などによると、男は19年12月8日午後6時5分ごろ~同6時47分ごろ、同居する妹の頭部や顔面、左腕を包丁やナイフで切り付けるなどして殺害し、おいの頭部や顔面を包丁で複数回切り付け、殺害したなどとされる。

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