公民館前にキク鮮やか みなべ町清川

駐車場に飾られたさまざまなキク(10月31日、和歌山県みなべ町清川で)

 和歌山県みなべ町の清川公民館前にある駐車場に、地元の愛好者が育てた黄や赤紫、ピンク色などさまざまな種類のキク36鉢が飾られ、来訪者を和ませている。4日午後3時ごろまで飾るという。

 新型コロナウイルスにより清川文化展が今年も中止になったことから、地元の有志でつくる清川里山まつり実行委員会のメンバー、赤松宗典さん(73)が中川日和さん(87)ら愛好者4人に呼びかけ、清川地域の名所を紹介する大きな看板「ふるさとマップ」の前に10月30日から飾っている。

 中川さんは、52歳の時に実家がある清川に戻って暮らし始めたのをきっかけにキク作りを始め、公民館サークルで作り方を指導した経験もある。「キクは天候などによって出来栄えが変わる。品種によって土を変えなければならず、奥深い。それだけに面白く、一番の生きがい」という。

 駐車場には大輪の「大菊3本仕立て」や「だるま作り」「福助作り」といったキクを飾っており、「今年は夏が暑かったためか、出来栄えは良くないが、見に来てもらえればと思う」と話す。

 このほか、愛好者2人が小菊、もう1人がバラを飾り、華やいでいる。

 清川ではいま、近くにある清川天宝神社の境内でアサマリンドウの花が見頃となっている。赤松さんは「駐車場では夏にハスが咲き、秋には地区のあちこちでキイジョウロウホトトギスが上品な花を咲かせる。清川の山里は、梅だけでなくさまざまな花を楽しむことができる。愛好者が丹精込めて作ったキクをひとときでも見て楽しんでもらえればと思う」と話している。

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