10月の「円安」関連倒産は4件発生 1月からの累計17件 ~ 「為替」関連倒産(10月31日現在) ~

 10月の「円安」関連倒産は、4件(前年同月ゼロ件)発生した。2022年1-10月累計は17件に達し、年間(1-12月)では、この5年間で最多だった2018年の14件を上回った。

   10月21日深夜、外国為替相場は一時、1ドル=151円90銭台まで円が下落。日本銀行は10月21日、9月22日に続いて為替介入を実施、24日には円が急騰した。日銀がまとめた東京市場ドル・円スポット(17時時点)は10月29日、1ドル=147円08銭と依然として円安が続いている。
 10月の円安関連倒産は4件で、このうち2件が酪農業や養鶏業の一次産業だった。円安による飼料価格の上昇などで収益が悪化し、事業継続が困難となった。
 まだ円安の動向は予断を許さず、急速な物価上昇のなかで価格転嫁が難しい中小企業は、資金繰り悪化に拍車を掛けかねない。また、物価高は個人消費の冷え込みを招き、企業業績への影響も懸念される。
 経済活動が活発になるなか、過剰債務を抱えて業績改善が遅れた企業は新たな資金調達が難しい状況が続いている。今後も、円安を一因とする企業倒産が本格化する可能性が高まっている。

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