新潟市東区のタクシー運転手強盗殺人事件、未解決のまま13年が経過

警察による献花黙とうの様子

2009年11月1日に発生した「新潟市東区空港西1丁目におけるタクシー運転手被害強盗殺人事件」は未だ犯人の検挙に至ってない。新潟東・新潟警察署合同捜査本部は、今年も事件発生日となる11月1日に、事件現場と新潟駅南口広場付近で情報提供を呼び掛けた。

事件概要

事件は2009年11月1日に発生。翌2日1時30分ころ、路上に停車中のタクシーの中で、シートにもたれ掛かるような状態で倒れ血を流しているタクシー運転手の男性(当時63歳)を同僚が発見し、110番通報した。

被害者男性の首には複数の刺し傷があり、司法解剖の結果、死因は首の左側を刺されたことによる出血性ショック死で、死亡推定時刻は11月1日の23時ころ。タクシーの売上金などが入った手提げバッグや財布などが車内からなくなっていた。

警察は現場の状況などから殺人事件と断定し、捜査を開始した。

現場や遺体の状況などから犯人は返り血を浴びている可能性が高いとされていた。しかし、事件発生直後の現場は、深夜で周囲は暗く、通りすがりの人が血痕に気付くのは困難だった。その上、事件当日は雨が降っており、物証の確保が困難な状況だった。

捜査の結果、捜査本部は被害者のタクシーに新潟駅の南口ロータリーで乗車した最後の利用客を容疑者と推測した。そして、新潟駅前の防犯カメラに録画されていた動画を一般公開し、容疑者の情報提供を呼び掛けた。

防犯カメラに映っていた犯人と思われる男性の特徴は、身長約165センチ、瘦せ型。上下黒の服に、靴はサンダルのようなものを履いていた。

事件発生から13年が経過

事件から13年が経った1日、事件現場では献花が行われ、被害者が当時勤務していたタクシー会社の社長が事件現場を訪れ、故人を悼んでいた。

その後、話を聞くと、「(事件が起きたのは)つい昨年のような気がする。もう13年も経ってしまったのだなというのが、今の実感。必ずや犯人が見つかるものと信じている。犯人には1日も早く出頭してほしい」と語った。

つづいて、合同捜査本部を代表して、新潟県警察本部の白井秀夫捜査第一課長が事件現場に献花し、黙とうを捧げた。

白井捜査第一課長は、「県警としては、被害者遺族の人たちの無念を晴らすべく、それから、県民の皆さんの不安感を払拭するべく、1日も早く事件を解決したいと強く思っている」と話した。

新潟県警察本部の白井秀夫捜査第一課長

発生から13年という年月についての所感を問うと、「率直に言って、長いと思う。本当に遺族の人たちには申し訳ないと強く思っている。ただ、決して期間が経過したからといって諦めているわけではない」と語った。

併せて、新潟県警は公開している動画を見てほしいと呼び掛けた。防犯カメラに映った男性は、特徴的な歩き方など、動画でしか確認できない情報がある。

献花に訪れた被害者の妻は、「事件があったときから、今まで気持ちは変わらない。苦しい気持ち。主人には本当の意味で安心してもらえるように、良い報告を早くしたい。とにかく、犯人には早く自首して欲しい。その一言に尽きる」と語った。

「新潟市東区空港西1丁目におけるタクシー運転手被害強盗殺人事件」は、捜査特別報奨金対象事件に指定されており、犯人逮捕に繋がる情報に上限300万円の懸賞金が懸けられている。9月末現在まで約900件の情報提供が合同捜査本部に寄せられているが、未だ犯人の特定には至ってない。

事件に関する情報提供は、0120ー39ー1105 まで。

報道陣からの取材に応える、被害者男性の妻

情報提供呼び掛けの様子

「新潟市東区空港西1丁目におけるタクシー運転手被害強盗殺人事件」の情報提供呼び掛けポスター

【関連リンク】
「新潟市東区空港西1丁目におけるタクシー運転手被害強盗殺人事件」について県警が公開している動画

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