11月も“値上げの波” 牛乳からバスまで…銭湯は3年ぶり 広島

またも家計を直撃です。11月1日から牛乳やヨーグルトなど購入頻度の高い身近な商品約770品目が値上げされます。

県内でも交通機関のほか意外な場所でも値上げの波が続きます。

山口和政記者「広島市内の路面電車やバスなどが30円値上げとなりました。1つ1つの金額は小さくても値上げの波は生活に重くのしかかります」

広島電鉄や広島バスなど交通7社は、広島市中心部での均一料金を190円から220円に改定しました。一方で均一エリアは拡大されています。

広島電鉄によりますと新型コロナウイルスの影響による収支の悪化を改善すると同時に、エリアを広げることで利用者に分かりやすい運賃体系を目指すということです。

利用者「(外出を)2回に1回に減らそうと思います。つらいね何でもかんでも上がっちゃうから」

利用者「来るときにバスの料金が上がっているなと思って、ちょっと痛いなと。これも値上げこれも値上げと逆に値上げしない物が少ないくらいですね」

このほかにも11月1日から広島電鉄の白島線や広島駅と広島空港を結ぶリムジンバスなどでも運賃が値上げされました。

銭湯では11月1日から3年ぶりの値上げです。

児玉比呂記者「とっても暖かいですが懐は寒くなってしまうんです…」

「ごめんなさいね。きょうから30円上がったので」

これまで450円だった県内の入浴料金は30円値上げされ480円となりました。

県によりますとロシアのウクライナ侵攻などをうけ、湯を沸かすための重油や電気料金の高騰などが値上げにつながったということです。

利用者「燃料費も上がっているし、しんどいと思うから30円は良いんじゃないですか」

いなり湯 下井田繁喜店長「採算が合わなくなる感じですよね。サービスは以前と変わりませんから」

ウクライナ情勢の影響はこんなところでも。

坪山奏子アナウンサー「値上げの波は飲食店にも広がっています」

世界的な飼料価格の高騰により11月1日から生乳の取引価格が引き上げられ、牛乳や乳製品が値上げされました。

中区のグラタン専門店ではホワイトソースの調理など月1000本以上の牛乳を消費するということですが、7月に値上げしたこともありメニュー価格は据え置くそうです。

坪山アナ「(ホワイトソース)1つの鍋に牛乳は」

グラタン&サラダの店 リゾート 吉川 裕仁店長「3本弱ぐらいは(使う)(毎日)だいたい20~30本くらいは平日で使いますね」

坪山アナ「(乳製品が)今回の値上げは」

吉川店長「相当厳しいですね。(メニューの)だいたい半分が牛乳やチーズなど乳製品がメインなので、それが今月から約1割値上げの話が来ているので正直厳しいですね」

一方、秋の深まりと共に広島市内のクリーニング店にも変化が…

安村恵美記者「こちらのクリーニング店では、衣替えのこの時期、夏に着終わった服を預けにくる人が今多いといいます」

冷え込みが強くなってきたこの時期。家庭での衣替えが進み、クリーニング店はいま繁忙期を迎えています。

小柴クリーニング 小柴 義貴常務「秋の繁忙期と業界では呼ばれていて、1年のなかで2番目か3番目かに忙しい」

しかし、そんななか頭を悩ませているのは、光熱費や石油価格などの高騰です。クリーニング店では様々な工程で石油製品が欠かせません。

服を包むビニール袋をはじめとしたプラスチック製品も石油由来のもので…

小柴常務「ビニール関係は10%くらい値段が上がっています。あとは洗剤とかも同じくらい上がっている。大体10~15%が多い」

特に、影響が大きいのはドライクリーニングに使用される通称「ゾール」と呼ばれるクリーニング店ではおなじみの溶剤。

小柴常務「ドライクリーニングの溶剤は大体2、30円くらいは上がっているので、年間だと500万円とか」

このお店では使用した溶剤をフィルターで濾過して再利用するなど節約の工夫には余念がありませんが、それでも今の状況ではメニューの値上げを検討せざるを得ないといいます。

小柴常務「現実を受け止めていくしかないと思っているし、その中で出来ることを探すのは僕らなので。出来ることを続けていってお客さんのためになることを考えて進んでいくしかない」

激しく吹き荒れる価格高騰の嵐。事業者たちは様々な模索をしながらこの厳しい局面を乗り越えようとしているようです。

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