7月の参院選は「違憲」 1票の格差をめぐる裁判で仙台高裁 選挙無効を求める訴えは棄却

7月の参院選で1票の格差が最大で3.03倍となり、東北の有権者が「憲法に違反する」として選挙の無効を求めた裁判についてです。仙台高裁は1日の判決で「違憲」と判断しました。

7月の参院選では1票の価値に最大で3.03倍の格差があり、2つの弁護士のグループが「投票価値の平等を定めた憲法に違反する」として選挙の無効を求め、全国14カ所の高裁や高裁支部に提訴しています。

秋田県を除く東北の5つ県の選挙区について審理していた仙台高裁の小林久起裁判長は判決で「2020年の国勢調査で、前回の参院選と比べて格差が拡大していると判明していた」「国会は必要な考慮をせず、合理的期間内に是正しなかったのは裁量権を逸脱している」とし「違憲」との判断を示しました。 その上で「選挙を無効と判断しても、法改正をしなければ格差は是正されない」として選挙無効を求める訴えは棄却しました。

7月の参院選に絡む1票の格差をめぐる判決はこれで8件目で、合憲が3件、違憲状態が4件、違憲が1件となっています。

1票の格差が著しい「違憲状態」を、国会が合理的期間内に是正しなかったと認定し「違憲」と判断したのは、今回が初めてです。

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