ヴィクトワール広島 リアル「弱虫ペダル」久保田が秋吉台を激走! 自転車ロードレースJCL最終戦

自転車ロードレース最高峰のプロリーグJCL(ジャパンサイクルリーグ)は、10月29日と30日に今シーズン最終戦を山口県で開催しました。今回の注目は、リアル「弱虫ペダル」と噂される、眼鏡の選手。ヴィクトワール広島のルーキー・久保田悠介です。

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29日土曜日。長門市の青く美しい海岸沿いを含む1.5キロを35周する52.5キロのコースで行われた「山口ながとクリテリウム」。

ヴィクトワール広島は、先週のレースでけがをしたエースの1人、ライアンと柴田副キャプテンの主力選手2人を欠く苦しい布陣。

中山卓士 監督
「きょう、エースの阿曽を守れる選手がどれだけいるかっていうのと、展開があんまり動いていないので、その後、どこかのチームが仕掛けるときに乗っていったり、最後のタイミングで結果を残してくれたらいいなと思います」

ロードレースは、チームで優勝者を出すためにいかにエースの足を温存し、勝負できるかがカギとなります。

レースは、阿曽が自力で最後まで粘って追い上げます。

惜しくも3人のスプリント勝負に加われませんでしたが、5位と健闘しました。

阿曽圭佑 選手
「曲がって、こういうところでちょっと車間が空いていて、無理だったです」

JCLでは、片山右京 理事長が5年以内にツール・ド・フランスに出場する初の日本チームを作ろうとプロジェクトを立ち上げました。

JCL 片山右京 理事長
「もう自転車が好きで自転車のいろんなチームを応援してくれているファンが、みんなの気持ちが一つになったら、ツール・ド・フランスで勝つ日本人を輩出するぐらいの予算はすぐにつけられるから、みんなの挑戦だから力を貸してねとみんなにお願いしています」

現在、高級腕時計やオリジナルジャージなどがついたトークン発行型のクラウドファンディングで資金を集めています。

そして、30日日曜。ススキが黄金色に輝く秋吉台が舞台の「秋吉台カルストロードレース」。

カルストロードを含む29.5キロのコースを4周(118キロ)を走る過酷なサバイバルレースです。

阿曽圭佑 選手
「最終戦、自分がやることやって、みんなが助けてくれたら、後はやるだけなんで。最後ゴール前、終盤一緒だったら個々の登坂力で決まる」

久保田悠介 選手
「最初から足を使いすぎないよう阿曽さんのフォローをできたらと思います」

午前10時にレースがスタート。1周目は大きな動きはなく、集団で周回します。

2周目でした。“リアル弱虫ペダル” といわれる久保田が飛び出し、1分以上の差をつける快走を見せますが、3周目で集団に吸収されます。

ゴール前の急な坂道で、トップのチーム右京・ベンジャミンが驚異的な足を見せつけます。4周目に入ると徐々に集団が絞られ、最後、抜け出した3人に広島の選手はついていけません。

結局、ベンジャミンが登り坂で強さを見せつけ、勝利。チーム右京は、シーズン単独トップに立ちました。

広島は、険しい坂での勝負に挑めず、阿曽が11位でフィニッシュしました。

阿曽圭佑 選手
「きのうのダメージが残っていたかもしれないです。足がパンパンだったです、最初から」

ルーキーの久保田は、初の敢闘賞を獲得。受賞ステージに立ちました。

久保田悠介 選手
「山口ってことで広島から近いこともあって広島のお客さんもいて、1人で声援を浴びて気持ち良かったです」

JCLは、これが今シーズンの最終戦となりましたが、ロードレース界にとっては、まだ本当の終わりではありません。JCLのポイントを稼げる国際レースが、11月13日に「ツールド沖縄」として開催。南国の地で熾烈な争いが繰り広げられます。

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