福井県の単独死亡事故、全国ワースト2位 2022年は7件、全て65歳以上

車両単独の死亡事故発生件数

 高齢の運転者は、車両単独の事故に特に注意が必要です。車両単独事故とは電柱や壁、運転者がいない駐車車両などに衝突する事故です。

 走行速度にもよりますが、例えば時速40キロで走行し、運転者の体重が50キロの場合、衝撃は体重の約30倍、約1.5トンになります。衝突というより「激突」という表現の方がふさわしいかもしれません。

⇒夜間に道路横断中の事故、福井県では昼間の4倍

 「自分はいつもしっかりと前を見て運転しているから、そんな衝撃とは無縁」と思っている人こそ要注意。実は福井県は車両単独の死亡事故がとても多くなっています。

 イタルダの分析によると、福井県の車両単独の死亡事故の発生件数は全国ワースト2位で、全国平均のおよそ2倍です。しかも、9月末現在、今年の車両単独の死亡事故(7件、自転車含む)は全て65歳以上です。

 主な原因は、これまでお話ししてきた「考え事などによる漫然運転(全国ワースト4位)」「脇見運転(同1位)」に加え、高齢者は加齢による身体や認知機能の低下が考えられます。疲労や病気が影響する場合があるかもしれません。

 まずはしっかりと前を見て運転に集中しましょう。また、無理をせず、体調にも気を配りながら、慎重な運転を心がけてください。悲惨な交通事故とはぜひ無縁な人生を送ってください。(福井県庁県民安全課)  

【イタルダ】交通事故総合分析センターのこと。過去5年間の福井県の交通死亡事故データに基づき、他県と比較した事故の特徴などについて分析。結果の概要を福井県のホームページで公開している。

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