「客が来なくなっちゃう…我慢のしどころ」“値上げの秋”続く 乳製品にスナック菓子、外食など833品目

値上げの秋が続いています。大手飲料メーカーは11月1日から牛乳やヨーグルトなどの乳製品を値上げしました。静岡県内のスーパーに取材したところ、値上げの対象商品は250品目に及び、平均すると1割の値上げとなりそうです。

プレートの上で焼くのはホットケーキ。静岡市葵区の喫茶店「白い屋根」では、40年前から変わらないふわふわのホットケーキが人気です。このホットケーキを柔らかくするために欠かせない牛乳が11月1日から値上がりします。

<白い屋根 白鳥健二マスター>

「やっぱりきついですよね。大変になっちゃいますよね」

グラタンやココアにも牛乳は必須。1リットルのパック牛乳を、1日に2本から3本使うといいます。すでに2022年7月に値上がりしているホイップクリームに加えて牛乳の値上がりは痛手ですが、使う牛乳を変えるつもりはないといいます。

<白い屋根 白鳥健二マスター>

「(お客さんも)安いものはすぐ気づきます。これで値上げするとお客さん来なくなっちゃうんですよ、我慢のしどころですよ」

大手飲料メーカーは11月1日から牛乳やヨーグルトなどの乳製品を値上げ。スーパー田子重によりますと、値上げの対象商品は250品目に及び、平均すると1割の値上げとなります。

<客>

「困りますね。家計に響きます」「(値上げしても)頑張って飲まないと、高齢者には身体にこたえますので」

<田子重西中原店 増田克己店長>

「(乳製品は)賞味期限も短いものですから、あまり高い値段をつけると売れ行きが悪くなってしまうので大変」

売り上げが上がれば嬉しいはずの生産者ですが、喜んではいません。

<大畑牧場 大畑良彦さん>

「牛の肥料。この中にトウモロコシが入っているんですけど、それとこういう草ですよね。その2種類が値上がりしていますね」

50頭の牛を飼育する大畑牧場では、エサとして牧草やトウモロコシなどが入った配合飼料を使っています。エサの9割近くはアメリカやカナダなどからの輸入に頼っていて、円安の影響で1年前に比べると約2倍に高騰したといいます。

<大畑牧場 大畑良彦さん>

「安全な牛乳をつくっているので、皆さんに飲んで欲しい」

<井手春希キャスター>

約6700品目が値上がりした10月に比べるとその数は少ないですが、11月も833品目が値上がりします。乳製品は、明治、森永乳業、雪印メグミルクなど、大手飲料メーカーが値上げに踏み切りました。

定番のスナック菓子「かっぱえびせん」や「サッポロポテト」、ベビーフードの値上がりは、お子さんのいる家計を圧迫しそうです。また、外食でもミスタードーナッツやリンガーハット、餃子の王将などが原材料の高騰などに耐えられず、値上げに踏み切った形です。物価高はどこまで続くのか、家計の負担は増えるばかりです。

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