環境省によりますと、2020年、国内では81.9万トンもの衣類が作られた一方、このうち51万トンがのちに捨てられました。この大量生産・大量廃棄が繰り返されるアパレル業界に一石を投じようと静岡市にある店がこんな取り組みを行っています。
静岡市の古着店「チュージー」です。店のコンセプトは、「ものがたりを『着る』」。並ぶ洋服はどれも一点モノです。赤くかわいい付け襟に、様々な生地を縫い合わせたスカート、どれも素敵ですよね。
<影島亜美キャスター>
「お店の中、かなりたくさんかわいらしいお洋服がそろっていますけれど、どうしてこんなにカラフルで個性的なものがそろっているんですか?」
<チュージー 立山都さん>
「全部古着なんですけれど、汚れていたり、破れていたりするものを加工して販売しています」
この店が2020年から取り組んでいるのが、不用になった服に新たな価値を加えて再生する「アップサイクル」。廃棄寸前の古着を生かします。
<立山さん>
「廃棄されちゃう洋服をちょっと見てみようって機会があって、集まったものがこんなにきれいだったので、これが廃棄されちゃうんだったら、何か作り変えたいな」
では、どのように古着は生まれ変わるのでしょうか。その現場を見せてもらいました。手掛けるのは、裁縫が得意な女性たち。もともと店の客でしたが、立山さんの思いに共感して始めたといいます。
<裁縫をする人>
「お洋服を捨てなくて、かわいそうなことをしなくていいんだって、とてもうれしくなりましたね」
「第2の人生が服たちにはあると思っているので、形を変えてでも、そうやって誰かのもとに渡ったりだとか、使っていただけるのは本当にうれしい」
<影島キャスター>
「私も実際に自分のワンピース、持ってきました。でもこれ、なかなか丈が長くて、着る機会がなかったんですよね」
<スタッフ>
「ここを短くカットさせてもらって、裾をこういうフリルになるように加工していくっていうのはいかがでしょうか」
<影島キャスター>
「フリルかわいいですね」
アドバイスをもとにミシンをかけていくと…、おしゃれに変身!新たな命が吹き込まれました。捨てるしかないように思える洋服。ちょっとの工夫でまだまだ長く活躍できます。
<立山さん>
「洋服が大量生産・大量廃棄されちゃう中で、流行ってものがあるなかで、流行りがあることは捨てられちゃうって背景があるので、これを流行に終わらせないで、続けていけるようなものを作りたいと思います」