11月11日より劇場公開される、直木賞作家・井上荒野が父である作家・井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴をモデルに男女3人の特別な関係を描いた同名小説の映画化作「あちらにいる鬼」から、新たな場面写真が公開された。
今回公開されたのは、出家をして寂光になったみはるが、妻子のある恋人・篤郎の妻、笙子と向き合うシーン。道ならぬ恋を断つために出家という手段を取ったみはると、何があっても篤郎と添い遂げると心に決めた笙子という、1人の男を介してつながった2人の関係は、嫉妬を超越し、ある種の絆へと形を変えていた。場面写真では、笙子の目をまっすぐに見つめた寂光が笙子の左手を両手で握る姿が捉えられている。
撮影を回想した寺島しのぶは、「どうしても触りたくなってしまって、広末さんの手を衝動的に握ったんです。テストの時に思い付きでやってみたら、いきなり広末さんが泣き出してしまって、本番でやればよかったな、しまった！と思いました」と語っている。一方、自身の演じた笙子について広末は、「妻としての立場よりも、女性として相手の痛みに共感する人だと思います」「自分で演じながら感じとったのは、笙子という女性はただ者では無いということ。監督の演出で笙子という人物像が見えていく中で、徐々にそう感じていきました」と明かしている。
「あちらにいる鬼」は、昨年11月に満99歳でこの世を去った作家・僧侶の瀬戸内寂聴と、同業者で妻子のある井上光晴とのかつての恋、井上光晴の妻との関係をモデルとした作品。主人公の長内みはるを寺島しのぶ、井上光晴をモデルとした白木篤郎を豊川悦司、白木の妻・笙子を広末涼子が演じる。ほかに、高良健吾、村上淳、蓮佛美沙子、佐野岳、宇野洋平、丘みつ子らが顔をそろえる。廣木隆一が監督を務め、荒井晴彦が脚本を担当している。
【作品情報】
あちらにいる鬼
2022年11月11日(金) 全国ロードショー
配給：ハピネットファントム・スタジオ
©2022「あちらにいる鬼」製作委員会
