「都民ファーストの会」新代表の森村隆行氏の経歴は?歴代代表の変遷も振り返る

「都民ファーストの会」の代表選が11月1日に告示され、東京都議の森村隆行氏が立候補を届け出ました。森村氏のほかに届け出がなかったため無投票での当選となり、5日の全議員・支部⻑総会で正式に就任が決定します。

森村氏は17年の都議選で初当選、幹事長代理など歴任

森村氏は東京大学卒業後、大手商社や保険会社に勤務しました。その後、保険代理店を運営するベンチャー企業に転職、取締役に就任するなど経営経験も豊富です。

小池百合子氏の政経塾「希望の塾」の第一期生でもあり、2017年の東京都議選で青梅市選挙区から党公認で立候補しました。

青梅市選挙区は有権者数が約11万人の1人区で、ベテランの自民党の現職候補がいる激戦区でしたが、3万票以上獲得して初当選しました(投票率は50.82%)。

2021年の東京都議選では現職として同選挙区から立候補。投票率が38.98%と伸び悩む中で2万6000票あまりを獲得し、自民党候補との一騎打ちを制して再選しました。激戦区で2連勝という結果を残し、選挙での強さを評価されています。

主な役職としては、東京都議団の政調会長代理、党の幹事長代理などを歴任。新型コロナウイルス感染症対策プロジェクトチーム座長を務めた経験もあり、党のコロナ対策の取りまとめを担当していました。そして今回、49歳で代表に就任することになります。

5年務めた荒木氏から森村氏にバトンタッチ

都民ファーストの会の初代代表に就いたのは本橋弘隆氏。2017年1月から地域政党として活動を始め、次の代表に就任したのは野田数氏でした。その後、同年6月に小池氏が代表に就任すると、直後の7月に都議選で大勝。都議会で55議席を確保し、自民党から第1党を奪い取る結果となりました。

都議選の直後、「知事職に専念する」として代表を退いた小池氏にかわり野田氏が代表に再任。しかし、その野田氏も2カ月後に「特別秘書に専念する」という理由で代表を辞任することになります。

そして、2017年9月に荒木千陽氏が代表に選出。直後に衆院選が解散され、10月に総選挙が行われました。このとき、都民ファーストの会は小池氏が結成した「希望の党」への選挙協力も行っています。なお、希望の党は小選挙区18議席、比例代表32議席の計50議席の獲得にとどまり、公示前より7議席減る結果となりました。

荒木氏は代表を5年務め、2022年7月の参院選では自身も立候補。しかし定数6の東京選挙区で10位となり落選、その後の10月に代表を辞任し、森村氏にバトンタッチすることになりました。

党の「顔」として統一選へ

今回代表に就任する森村氏は、2023年の統一地方選挙でのかじ取りを行うことが予想されます。

多くの選挙が激戦になるであろう統一地方選挙に党の「顔」として挑む森村氏が、どのような党運営を行っていくのか注目です。

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