トラを捕らえろ!宇都宮動物園で訓練 トラックで包囲、全力トライ

麻酔銃で眠らせたトラを捕獲する訓練中の動物園職員と警察官=2日午後2時25分、宇都宮市上金井町

 宇都宮中央署と宇都宮動物園は2日、宇都宮市上金井町の同園で、トラの脱走を想定した合同捕獲訓練を行った。園職員と同署員の計約15人が参加し、非常時の連携や役割分担を確認した。

 訓練は地震でおりが壊れトラが脱走した想定で、園職員が着ぐるみでトラに扮(ふん)した。通路で歩き回るトラを園職員らがトラックを移動させるなどして囲い、逃げるルートをふさぎ、署員の到着までの時間を稼いだ。

 署員は園職員と来園客の避難誘導にあたった。園職員が麻酔銃でトラを眠らせネットをかぶせて捕獲する際には、トラが起き上がった場合に備え、鉄製の盾を構えて園職員に付き添った。

 合同訓練の実施は新型コロナウイルスの影響で3年ぶり。荒井賢治(あらいけんじ)園長(58)は「猛獣の脱走は大変な問題。脱走事故を起こさないことが一番だが、危機管理も日頃から大切にしたい」と話した。

麻酔銃を向けられる脱走したトラ(左)=2日午後2時20分、宇都宮市上金井町

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