冬将軍の到来備えラッセル車試運転 JR北陸線、昨シーズンは福井県内で104回出動

雪に備え、試運転を行うラッセル車=11月2日、福井県あわら市牛ノ谷

 冬将軍の到来に備え、JR西日本金沢支社は11月2日、北陸線でラッセル車の試運転を行った。可動式の除雪装置の動きを入念に点検し、運転士らが気を引き締めた。

 JR貨物の南福井駅(福井県福井市)で1976年製のDE15形ラッセル車1台を点検した。雪を線路脇へ押し出すウイングや、レール内の雪をかき出すフランジャーなどの装置を何度も動かした後、警笛を鳴らして全長約30メートルの赤茶色の車体が試運転に出発。石川県金沢市の金沢総合車両所まで約80キロを走った。

 福井県あわら市牛ノ谷ではススキが揺れる田園地帯を走り抜け、季節の“風物詩”を捉えようと写真愛好家がカメラを構えていた。同支社が保有する7台の試運転を今月いっぱい続ける。

 同支社によると、ラッセル車は30センチ以上の降雪または積雪が見込まれる際に出動し、昨冬は県内で104回走った。今冬の降雪量は平年並みか多い見込みで、「五六豪雪」など大雪を何度も経験している保線担当者(63)は「早め早めの出動を心がけたい」と話していた。

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