春の高校バレー県予選特集 バレーボール男子(2) 勢いと爆発力で頂点を目指す大分南 【大分県】

第1シードの大分南は、今夏の全国高校総体に続いて、全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の出場を目指す。夏からメンバーの入れ替わりはほとんどないが、3年生が4人と少ない。柿谷茂徳監督は「一生懸命にバレーに取り組むキャプテンの鈴木結翔を中心とした3年生の思いに、下級生がどれだけ奮起するかがポイントになる」と語る。

チームの核は182cmの大型セッター大堀孝一(3年)と185cmのミドルブロッカー上田詠路(同)の高さに加え、全国大会を経験したことで一回り成長した2年生エースの前畠怜和、嵯峨慎人。攻撃力は高く、勢いに乗れば圧倒する力がある。さらに1年生の水田凰雅の成長は著しく、最高到達点は335cmと跳躍力に優れ、切り札として期待できる。

課題は守備面となるが、県外の強豪校との練習試合を繰り返し、ある程度のレベルに達したが「不安要素であることに変わりはない」(柿原監督)と慢心はない。一発勝負のトーナメント戦において、「先にボールを落とさないかが勝負を決める。粘り強くボールを拾い続けたチームが勝つ」と試合前日まで守備強化に時間を費やし、粘りのバレーで頂点を目指す。

6月の県高校総体で優勝した大分南

戦力評価(10段階)

スパイク力 10

サーブレシーブ力 8

レシーブ力 7

サーブ力 8

ブロック力 8

セッターのトスワーク 8

個々の能力は高く、技術もあり、攻撃力には自信がある。柿原監督は「突出した選手はいない」と話すが、誰が出ても遜色なく試合をつくれるという裏返しでもある。実際に現在の戦力を分析すると、春の高校バレーに連続出場した2年前、3年前のチームに比べて「層が厚くなった」という。

1、2年生がメンバーの半数以上を占める若いチームだ。若さは勢いがあるが、もろさもあるだろう。それでも柿原監督は「(春の高校バレーに出場できるのは)一生に3度しかチャンスはない。忘れ物をしないように」と、勝負へのこだわりを選手に説く。

守備強化を重点課題として練習に取り組む

(柚野真也)

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