フェラーリF1の黄金期を築いた名デザイナー、マウロ・フォルギエリが87歳で死去

 スクーデリア・フェラーリの伝説的デザイナー、マウロ・フォルギエリが87歳で死去した。フォルギエリは1960年代から1980年代にかけてフェラーリのF1マシンを設計、数々の勝利とタイトル獲得に貢献した。

 1935年にイタリア・モデナで生まれたフォルギエリは、1959年にボローニャ大学を卒業するとフェラーリに入社。27歳の若さでスクーデリアのチーフエンジニアに就任、その後、テクニカルディレクターに任命された。

 1964年には彼が手がけたフェラーリ158が、フェラーリにドライバーズタイトル(ジョン・サーティース)とコンストラクターズタイトルをもたらした。

 1975年には、横置きギヤボックスを採用した312Tで、ドライバーズ(ニキ・ラウダ)とコンストラクターズ両タイトルを獲得。1976年にはコンストラクターズ、1977年にはドライバーズ(ニキ・ラウダ)とコンストラクターズ、1979年にはドライバーズ(ジョディ・シェクター)とコンストラクターズを獲得と、フォルギエリのマシンはフェラーリの黄金期を支えた。フェラーリは1982年と1983年にはコンストラクターズ選手権を制しており、フォルギエリは、7度のコンストラクターズタイトル、4度のドライバーズタイトルに貢献したことになる。

1975年アメリカGP ニキ・ラウダが乗るフェラーリ312T

 27年間にわたりフェラーリに所属したフォルギエリは、1987年にランボルギーニに移籍、彼が設計したV12エンジンは、1989年にはラルース/ローラ、1990年にはロータスに搭載された。

 フォルギエリは、1990年代初頭にランボルギーニを去った後も、レースおよび自動車業界にかかわり、BMWやフェラーリを顧客に持つオーラル・エンジニアリング・グループのプロジェクトに参加するなどした。

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