狛江市に「躰道(たいどう)」日本一の小学生

柔道や剣道と同じように、日本の武道の一つに「躰道(たいどう)」というものがあります。今年夏に行われた躰道の全国大会で、狛江市の小学生が日本一となりました。

10月28日、狛江市役所で市民功労賞の表彰をされたのは小学6年生の松本伊織君です。松本君が日々鍛錬を積むのが「躰道」です。躰道は空手から派生した武道で、自分の体をこまのように回転させながら技を繰り出すアクロバティックな動きが特徴です。

松本君は小学2年生の時にも躰道の型の美しさを競う部門で日本一になっています。当時、目標を聞くと「型も強いけど実戦も強い、全国チャンピオンになる選手になりたい」と語っていました。あれから4年がたち、松本君は今年7月、山形県で行われた全国大会で有言実行を果たしました。出場したのは1分間で相手に攻撃を当ててポイントを競う「実戦」の小学生高学年の部です。並み居るライバルを打ち破り、見事、日本一の座を勝ち取りました。

顔つきも体も少し大人になった松本君に日本一の技を見せてもらいました。体が卍(まんじ)の形に見えることから名付けられた「卍蹴り」、そして得意だという突きへの一連の鋭いコンビネーションが躰道日本一のスピードです。

今回、狛江市の市民功労賞に選ばれた息子の伊織君について、父親の昇平さんは「躰道は私が大学からやっていて、子どもが生まれたらやらせたいと思っていた。競争することも多いが、そんな中でも相手を思いやる人間になってほしい」、母親の沙織さんは「食べる量が多くて4食ぐらい食べたりするので、好きな肉や炭水化物、ご飯は十分な量をあげたいと思っている。けがには気を付けて頑張ってほしい」と話しています。松本君は丈夫な体に産んでくれた母と、日本一に鍛え上げてくれた父への思いを「本当にありがたいですね。家族のみんなに感謝しています」と語りました。

最後に、松本君に再び目標を聞きました。松本君は「僕たち6年生が卒業したら残りの選手の人数が少なくなる。どんどん躰道に友達を勧誘して、道場を大きくしたいというのが目標」と語ってくれました。

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