佐賀空港経由案、再検証を 九州新幹線長崎ルート 与党検討委が国交省に要請

九州新幹線長崎ルートの未着工区間について協議した与党検討委=衆院第2議員会館

 九州新幹線長崎ルートで未着工の佐賀県区間(新鳥栖-武雄温泉)を巡り、フル規格での整備を目指す与党検討委員会は2日、東京都内で会合を開いた。森山裕委員長は佐賀空港を経由するルート案について、安全性や技術的な課題を再検証するよう国土交通省に求めた。
 非公開の会合後、森山氏が記者団に明らかにした。国交省はこれまで佐賀空港、佐賀駅、佐賀市北部をそれぞれ経由する3ルートの整備効果を検証し、佐賀駅ルートを「適切」と提示。これに対し佐賀県側は「佐賀駅ルートにこだわらない議論」を注文している。
 森山氏は佐賀空港ルートについて「技術的に無理だったり、安全運行ができなかったりすると、佐賀県に迷惑をかける。できるだけ早く精査すべき」などと説明。これまでの佐賀県側との協議の感触として「フル規格での整備には理解をいただきつつあるのではないか」と述べた。早ければ年内にも次回委員会を開く考えを示した。
 関係者によると、会合では佐賀空港ルートの「地盤の問題」を懸念する意見が出た。本県の議員は「佐賀県の費用負担と並行在来線、佐賀空港経由の問題について逃げるのではなく、即断即決するべき時期に来ている」などとして、全線フル規格の早期実現を強く求めたという。
 今委員会から新たなメンバーに山本啓介参院議員(自民、長崎選挙区)、河野義博参院議員(公明、比例)が加わった。河野氏は委員長代理に就いた。


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