米軍車両が危険物運搬示す標識を落とす 沖縄・宜野座と名護の国道、日米合同委では標識設置義務付け 米側「再発防止努める」

 【名護・宜野座】火薬類などを積載していた在沖米海兵隊の車両が10月中旬に沖縄県宜野座村松田と名護市辺野古の国道329号に危険物の運搬を示す標識を落下させていたことが2日までに分かった。名護市民からの情報を受けた沖縄防衛局からの照会に対し、米側が認めた。

 米側は「再発防止に努める」と回答したが、落下させた日時や車両の通行経路、所属部隊などは明らかにしていないという。

 標識を発見した名護市の女性や山里将雄県議と大城敬人名護市議、多嘉山侑三名護市議が2日、沖縄防衛局を訪れ「危険物を積んだ車両が標識のない状態で一般道路を走行しており、極めて危険だ」と抗議し、再発防止を求めた。対応した石下春彦管理部次長は「火薬類を運搬する車両から標識が落下した状態での運用はあってはならない。引き続き米側に対し安全確保に万全を期すように求めていく」と述べた。

 女性によると、10月17日に宜野座村松田で「火」、同20日に名護市辺野古で危険物の配送を示す「1.5 BLASTING AGENT 1」と書かれた標識が落ちていた。

 日米合同委員会合意では公道で火薬類を運搬する米軍車両に標識の設置を義務付けており、女性は「規則を守れない米軍の危機管理能力のなさは、今後の軍事訓練による事故を予測させる」と述べた。

 また、女性は発見当初、防衛局に標識の回収を求めたが「米軍の物か分からない」と断られ、県警や北部国道事務所などをたらい回しにされたという。標識は2日、防衛局が回収した。

(松堂秀樹)

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