纏や半鐘見つかり展示 地域消防の歴史伝え 妙高市石塚町

 妙高市の石塚町、大崎町などを管轄する同市消防団「新井方面隊第5分団」で、かつて火災や災害時に使われていた纏(まとい)や半鐘が見つかった。地域消防の歴史を物語る宝物として、石塚町1の同町公民館内に常設展示されている。

常設展示されている纏と半鐘。纏の頭は「大」の字にかたどられ、崎の字が書かれている(撮影のためアクリル板を外してもらっています)

 明治27年に全国に設置された消防組は昭和14年に警防団、同22年に消防団と改組され、第5分団もこの時期に発足した。
 纏と半鐘は平成28年、消防団が倉庫を整理していた際に発見。石塚町町内会は、火消し文化を後世に伝える貴重な資料として消防団から借り受け、常設展示を決めた。
 纏は、火消しが火災現場で用いた旗印で、消火活動の目印や士気を鼓舞するのに使われた。見つかった纏は明治時代に作られたと考えられ、長さは約2メートル、重量は15~20キロほど。組を表す頭の部分が「大」の字にかたどられ、崎の字が書かれていることから、大崎町で使われていたと見られる。
 半鐘は、昭和後半まで石塚町1にあった火の見やぐらに取り付けられ、火事や災害時に打ち鳴らして住民に危険を知らせたり、消防団招集の合図として使われたりした。つり下げ部分には龍の意匠が施されている。
 石塚町町内会の池田勇会長(66)は「公民館での常設展示は珍しい。展示を通して消防団に興味や関心を持ってもらい、活動の重要性を知ってもらえれば」と願った。
 公民館は一般開放しておらず、見学の問い合わせは池田会長(電090・8802・7751)へ。

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