芸備線利用促進協議会 廃止含む再編協議は扱わず JR「国に相談する」

JR西日本と沿線自治体による芸備線の検討会議が2日、岡山市で開かれ、JRが求めていた廃止を含めた地域交通の再編に関する議論をしないと決定しました。これを受けてJRは、国に今後の方針を相談したいとの意向を示しました。

芸備線は人口減少の影響で、広島県庄原市と岡山県新見市を結ぶ一部区間の利用者が、ここ数十年で激減しています。

JRと沿線自治体は、去年8月、利用促進に向けた検討会議を開始。ことし5月の会議でJRは代替交通の議論などを進めたいと提案していました。しかし、2日の会議で、こうした議論をしないことを決定。これを受けてJRは、国に廃止も含めた今後の方針を相談したいという意向を示しました。

JR西日本岡山支社 須々木淳 副支社長
「特定の前提を置かない将来の地域公共交通の姿の議論について、国を含めた関係者と具体的な相談を進めたい」

岡山県 県民生活部 池永亘 部長
「国が枠組みを示そうとしている中、議論するのは拙速だと思う。今後の動向を見極めていきたい」

JRによりますと、ローカル路線の今後のあり方について、国に相談を行うのは初めてだということです。

JR西日本と沿線自治体の間で行われてきた芸備線検討会議で協議の対象になっているのは、広島県庄原市から岡山県新見市のこちらの区間です。

去年8月、JRが自治体に協議を申し入れ、検討会議が始まりました。去年10月の会議では、両者の間で利用促進策について意見交換が行われました。

ことし5月の会議でJRは、代替交通の議論などを進めたいと提案。これに対し、2日の会議で、代替交通の議論をしないことが決定しました。これを受けてJRは、国に廃止も含めた今後の方針を相談したいという意向を示したというわけです。

一方、国はことし7月、有識者検討会が「国が主導して、鉄道事業者と沿線自治体が協議会を設ける」といった提言をまとめています。

JRは、こうした動向も踏まえ、国に相談して早く協議したいという意向を示したものとみられます。今後、国を含めた動きが注目されます。

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