復興支援に区切りのコンサート 川崎の和太鼓サークルなど 今後は地域の絆深める文化交流へ

コンサートに向けて練習に励む和太鼓サークルのメンバー=川崎市川崎区内(玉田さん提供)

 川崎市を拠点とする和太鼓サークルなどが連携し、東日本大震災からの復興を後押しするコンサートを6日、同市多摩区の多摩市民館で開催する。震災直後から被災者らと交流を続けてきたが、この日をもって復興支援としての活動に区切りをつける。今後は文化交流として続け、地域の絆を一層、深めていくという。

 同市の和太鼓サークルを中心に約20団体が2011年5月、復興支援活動を目的として実行委員会を結成。同年11月と16年12月に被災者らを同市に招き、「PLAY for JAPAN 和太鼓でつながろう 震災復興をめざすコンサート」と題して開催してきた。10年目の節目となる昨年に最後のコンサートを開催する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となった。

 実行委員会のメンバーは、岩手県陸前高田市や宮城県気仙沼市の被災地に何度も足を運び、仮設住宅や福祉施設などで和太鼓を演奏し、住民らと交流を深めてきた。陸前高田市の名物祭「うごく七夕まつり」で山車に乗せてもらい、地元でなじみの演目を演奏した際は大いに盛り上がったという。

 復興支援に終止符を打つことにしたのは、「いつまでも支援する側、される側として付き合うのではなく、友達として交流を続けたい」という被災者の思いに触れたのがきっかけだった。実行委員会委員長を務める玉田菅雄さん(74)は「心に重く響き、活動を見つめ直す必要があると感じた」と話し、今後は文化交流活動として続けるつもりだ。

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