いよいよ開幕! ワールドカップ攻略ガイド

今月20日に開幕するワールドカップカタール大会。次の2026年大会ではアメリカ・カナダ・メキシコの3カ国共催が決定し、ここニューヨーク・ニュージャージーで試合が行われることからも注目度が高い。今号を読んでワールドカップ観戦前の予習をしておこう!


FIFAワールドカップカタール2022が20日(現地時間)に開幕し、12月18日まで開催されます。

中東では初開催となり、通常ワールドカップは欧州各国のプロサッカーリーグが休暇期間に入る夏に開催されることが恒例でしたが、今回は、8月の平均気温が41℃ともなる開催国カタールの気候を考慮して史上初の冬に実施されます。試合は首都ドーハ、新開発都市ルサイルなどの8会場で実施予定で、日米を含む世界中の予選を勝ち上がってきた合計32カ国が出場します。

今大会の見どころとしては、前回の2018年ロシア大会を制したフランス代表が史上初の連覇を果たすのか、おそらく今大会が最後のワールドカップ出場となるリオネル・メッシ選手率いるアルゼンチン代表が同選手の有終の美を飾るのか、それとも新旧メンバーがそろい、6度目となる優勝をブラジル代表が手にするのかなど、多くの見どころがあります。日本代表も前回のロシア大会のベスト16を超える成績を収められるかどうかは大いに注目するポイントです。

その中でも、今回はメジャー・リーグ・サッカー(MLS)もあるアメリカ代表について注目してみたいと思います。アメリカ代表を語る上で、次回のワールドカップ2026がアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国で共催されることは大きな鍵となります。

アメリカで前回ワールドカップが開催されたのは1994年で、その時の約360万人という観客動員数はいまだに破られていない大会史上最多の観客動員数となっています。スポーツを観戦することになじみがあり、スポーツビジネス発祥の国であるだけに2026年のワールドカップ人気は非常に高くなることが今から予想されています。その大会でアメリカ代表が弱くては興ざめですし、数年前よりアメリカは国内外で活躍する若い有望な選手たちを代表に招集しては強化してきました。今年はその途中経過を見定める非常に重要な大会と位置付けられているのです。

注目しておくべき
アメリカ代表選手たち

アメリカ代表の現在のエースはクリスチャン・プリシッチ選手。ペンシルベニアで生まれ育った彼は16歳の時に独ブンデスリーガの名門ボルシアドルトムントにスカウトされプロ契約を果たし、そこでの活躍が認められ、4年後には英プレミアリーグの強豪チェルシーFCに移籍しました。現在では「キャプテンアメリカ」と呼ばれるほど、国内外で知られるスーパースターとしてアメリカ代表をけん引しています。

他にも注目は、元アメリカ代表主将のクラウディオ・レイナ氏の息子であるジョバンニ・レイナ選手。アメリカ人としてチーム史上最年少の17歳でボルシアドルトムントにてプロデビューし、アメリカ代表の攻撃の要として現在活躍しています。それからFCダラス(MLS)のアカデミーでプレーし、18歳でブンデスリーガのシャルケ04に所属後、20年より伊セリエAリーグのユベントスFCに移籍したウェストン・マッケンニー選手や、共に現在プレミアリーグのリーズユナイテッドFCの中心選手として活躍中のタイラー・アダムス選手とブレンデン・アーロンソン選手、今夏アーセナルFCにニューイングランドレボリューション(MLS)から移籍したゴールキーパーのマット・ターナー選手など、欧州の第一線で活躍する多くの20代前後のアメリカ人選手たちが、代表チームを編成しています。

今大会はもちろんのこと、26年のワールドカップへの完成形に向けて、アメリカサッカー関係者たちは代表に大きな期待を寄せています。みなさんもぜひアメリカ代表に注目してみてください。

中村武彦

マサチューセッツ大学アマースト校スポーツマネジメント修士取得、2004年、MLS国際部入社。
08年アジア市場総責任者就任、パンパシフィック選手権設立。
09年FCバルセロナ国際部ディレクター就任。
ISDE法科大学院国際スポーツ法修了。
FIFAマッチエージェント。
15年ブルー・ユナイテッド社創設。東京大学社会戦略工学研究室共同研究員。

今大会注目の選手

中村さんイチオシの選手たちをピックアップ。今大会の行方を握っているともいえる彼らに注目しながらグループリーグ組み合わせや日程をチェックしよう。


「死の組」となったグループEの日本代表が、世界の強豪で優勝経験国であるドイツ代表とスペイン代表とどう戦うかに注目です。また、優勝候補の一つであるイングランドとアメリカが対戦するグループBも激戦となる注目のグループです。(中村さん)


キリアン・ムバッペ

【国】フランス(グループD)
【ポジション】FW(フォワード)
【所属チーム】パリサンジェルマンFC

現在世界ナンバーワンとの呼び声高いストライカー。16歳でフランスリーグにてプロデビューした後、同リーグの名門・パリサンジェルマンFCに移籍し、4年連続得点王に輝く。2018年ワールドカップでは史上2人目となる決勝戦でのゴールを決めた10代の選手で、ワールドカップでも優勝している。


ケビン・デ・ブライネ

【国】ベルギー(グループF)
【ポジション】MF(ミッドフィルダー)
【所属チーム】マンチェスターシティFC

英プレミアリーグ、マンチェスターシティFCの王様としてミッドフィールドに君臨する。得点能力もあり、味方に丁寧なパスも出せる万能な選手。世界最高峰のプレミアリーグで史上3人目となる2年連続PFA年間最優秀賞も受賞した。派手なテクニックを披露する選手ではないもののスター選手として知られる。


ペドリ

【国】スペイン(グループE)
【ポジション】MF
【所属チーム】FCバルセロナ

18歳でFCバルセロナに入団し、契約2年目には21歳以下の選手に与えられる「ゴールデンボーイ賞」と「コパトロフィー賞」を獲得。スペイン代表にも同代表史上6番目の若さとなる18歳でデビューを果たす。バルサの黄金期再建のキーマンとしてチーム内外から大きな期待を背負う世界が注目する若手選手である。


ビニシウス・ジュニオール

【国】ブラジル(グループG)
【ポジション】FW
【所属チーム】レアルマドリードCF

ブラジル国内歴代2番目となる破格の移籍金でブラジルからレアルマドリードCFへ移籍を果たした期待の若手フォワード。ブラジル代表の各年代でも常に選出されており、ブラジル代表の先輩、ネイマールの後釜と評されている。今大会で一気に世界を代表するフォワードになれるかに注目だ。

どっちが先にベスト8へ?

ワールドカップ悲願のベスト8入りを目指しているのは日本代表もアメリカ代表も一緒だ。意外と良いライバル⁉ な両国代表の歴史を比較してみよう。

アメリカ代表

VS

日本代表

ワールドカップでの最高位
アメリカ▶ベスト16 / 日本▶ベスト16

前回ワールドカップの成績
アメリカ▶16位 / 日本▶16位

FIFAランキング
アメリカ▶16位 / 日本▶24位

プロリーグ開幕年度
MLS▶1996年 / Jリーグ▶1993年

スタメンの欧州組の人数(推定)
アメリカ▶10人 / 日本▶10人


アメリカ代表注目エース

クリスチャン・プリシッチ

【国】アメリカ 【ポジション】FW 【所属チーム】チェルシーFC

「キャプテンアメリカ」のあだ名を持つ、押しも押されぬアメリカ代表の期待を背負うエースだ。16歳の時にドイツのボルシアドルトムントとプロ契約し、4年後には世界最高峰のプレミアリーグのビッグクラブ、チェルシーFCと契約。現在はサッカーのエース番号である10番として活躍を見せている。小柄ながらに小気味よいステップワークとスピードで、相手陣地に切れ込むテクニックに注目!


日本代表注目エース

久保建英(たけふさ)

【国】日本 【ポジション】MF 【所属チーム】レアルソシエダ

幼少期からFCバルセロナアカデミーで鍛え上げられた高度な個人技が着目され、レアルマドリードCFがプロ契約したことでも知られる選手。スペインのナンバー1、2の両チームから認められた本格派でもある。その後、スペインのラリーガのレアルソシエダに移籍し、チームをけん引。日本代表ではその海外で培った経験と技術駆使して、チームの勝利に貢献することが今から期待される。


ワールドカップを観戦できるスポット!

現地に行けなくても、市内にはワールドカップを観戦できるスポーツバーがたくさんある。地元ならではのスポットで試合を応援しよう。

店内には26台、屋外には8台ものテレビがあるニューヨークでは言わずと知れたアメリカングリル&スポーツバー。特にサッカーは毎日放映されており、HPからその日放映される試合がチェックできる。これだけ画面があれば決定的なゴールの瞬間も見逃さずにすみそうだ。

Smithfield Hall
138 W. 25th St.
TEL: 212-929-9677
smithfieldnyc.com


ブルックリン区ウィリアムズバーグにあるスポーツバーがこちら。24種類もの豊富に取りそろえた生ビールで喉を潤しながら、地元の人たちとサッカー観戦をすれば、試合観戦にもさらに気合いが入りそうだ。席数が限られているので、訪れる際は事前の予約がおすすめ。

Banter Brooklyn
132 Havemeyer St.
Brooklyn, NY 11211
Instagram: @banterbrooklyn
banterbrooklyn.com


スポーツバーとレストランが併設する「レジェンズNYC」。大画面のテレビでは世界中のサッカー試合をライブ放映しており、ニューヨークエリア30以上のサッカークラブの熱狂的なサポーターが集まる。スポーツ大国アメリカならではの熱狂的な雰囲気を味わいたい人はぜひ行ってみては。

Legends NYC
6 W. 33rd St.
TEL: 212-967-7792
legends33.com


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アディダスでは「ワールド・カップ・クチュール」と銘打ったアパレルコレクションを販売している。ユニフォーム、トレーナー、ニット帽などおしゃれなアイテムを試合観戦時に着用すれば、気分もさらに盛り上がること間違いなし!

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