【SNS特報班】整髪料 中学で禁止

持ってきてはいけないリストにある整髪料(写真はイメージ)

 中学校の修学旅行説明会で整髪料の持ち込み禁止と言われました。子どもの髪は癖が強く、整髪料で整えないと、ぼさぼさになります。整髪料の何がいけないのか分かりません。【宮崎市・アルバイト女性(45)】
「臭いで学習集中できない」 個別事情に対応も
 質問を寄せた女性の子どもが通う宮崎市の中学校では校則で整髪料の使用を禁止する。ただ、女性の子どもは身だしなみとして日常から使用しているが、指導を受けたことはないという。女性は「写真撮影の場面も多いだろう修学旅行で整髪料が持ち込めないことに子どもは困惑している。学校が口を出すことだろうか」と疑問を投げかける。
 女性の子どもが通う中学校の校長は「学校としては髪を染めたり、ポマードなどで髪を固めたり手を加えるのは好ましくないとして校則で整髪料の使用を禁止している」と説明。修学旅行についても校則に従って整髪料の使用を禁じていることを明かした。
 一方、寝癖が直らないなどの事情にも理解を示しており、校長は「髪を整える程度の利用であれば、担任に相談してもらい個別に対応できれば」と話す。
 同市学校教育課によると、同市立中25校全てが、校則で整髪料の使用を禁止。理由は「整髪料の臭いで、周りの生徒が学習に集中できない可能性がある」が最多で16校。この他「校則見直し意見に整髪料に関するものがない」「整髪料の必要性が認められない」が続く。一方、校則では禁止しているものの、個別事情で整髪料の使用を認めている学校は5校ある。
 人権を尊重した校則見直しを後押ししようと、県弁護士会(川添正浩会長)がつくる「校則見直しプロジェクトチーム」の成見暁子弁護士は「服装や髪型は自己決定権に基づき、子どもが自由に決めることができるもの」と強調。整髪料を使えないことによって困る子どもが出てくる可能性を挙げ「一律禁止は合理性がない」と指摘する。
 文部科学省の有識者会議は8月、生徒指導に関する学校・教職員向けの手引書「生徒指導提要」の改訂版をまとめた。不要に行動が制限されるなど影響を受けている児童、生徒がいないか検証・見直しを図ることを求めており、近く同省ホームページで公開する。
 同課は「2020年度から市内の各学校で生徒の実態や保護者、地域の実情を踏まえた校則の見直しを行っている。改訂される生徒指導提要を基に指導や助言などを行う予定だ」としている。

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