【厚労省】「調剤室に非常口」設置は「差し支えない」との見解/日薬が臨時総会での提起に対応

【2022.11.04配信】日本薬剤師会(日薬)は11月2日に定例会見を開き、調剤室への非常口の設置について、厚労省から「差し支えない」との見解を得たことを報告した。

調剤室への非常口設置に関連する問題については、令和4年3月5日に開かれた日薬臨時総会においてブロック代表質問が出ていた。薬局構造設備において、「調剤設備が、通路となる構造でない」と規定されているため、調剤室の出入り口が一カ所のみの構造となっていることが多いが、防犯上の観点からも構造設備への解釈変更を求める声が出ていた。日薬執行部も「薬局の許可基準などを情報収集したところ、通路による基準が都道府県によって違うようだ」とした上で、「薬局許可は都道府県知事によるという事情もあると思うが、薬局従事者の労働環境、安全管理は重要であるため、厚労省に申し入れをする」と回答し、今後、協議を進める方針を示していた。

これを受けて、11月2日に、日薬から都道府県薬剤師会担当役員に対して以下の文書を発出した。

■第99回臨時総会における要望事項への対応について (調剤室の構造設備に係る規定の見直し)
令和4年3月5日、 第99回臨時総会で挙げられた要望事項 「調剤室の構造設備に係る規定の見直し (都道府県により 「調剤室が通路となる構造ではない」ことの指導にバラツキがある点について厚生労働省と協議)」 について、 本会と厚生労働省で打ち合わせを行い、その結果、 令和4年度 第1回全国薬務主管課長協議会で別添の内容が厚生労働省より各都道府県に周知されましたのでお知らせいたします。

◆調剤室における非常口の設置について

○ 関係団体からの要望
各自治体の指導基準等の中に、調剤室に非常口を作るのに「保健所の判断」 が必要に見える記載(「原則出入口 1箇所」 等) がある場合と、そのような記載がない場合があるという記載のブレがある。
都道府県によってそのような記載のブレが生じていることを解消し、調剤室に非常口を作成するのにそもそもそのような判断が不要であることを明確にしてほしい。
※「原則出入口 1箇所」という記載について、 非常口を設けてもよいかどうかの判断が保健所に委ねられ、調剤室への非常口の設置が必要であるケースであっても全く認めていない保健所があるとの主張。

○ 当省の見解
保健衛生上の観点から、調剤室が通路とならないことは重要であると考えますが、通常の出入口とは別に、平時には使用しない非常口を設けることについては、差し支えないと考えます。

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