「少しぐらい、出来心で」女子児童の着替えを盗撮 栃木県教委、男性教諭を懲戒免職

栃木県教育委員会が入るビル

 栃木県教委は4日、勤務する県南の小学校で複数の女子児童の着替え姿を盗撮していたとして、同校の男性教諭(31)を懲戒免職処分にしたと発表した。県教委は「被害に遭った児童の保護者には謝罪したが、児童は被害を知らされていない」として、教諭の勤務校や氏名を公表していない。

 県教委によると、教諭はことし5~7月にかけて、校内の教材準備室にスマートフォンやタブレット端末を設置。休み時間や昼休みに女子児童を個別に特別教室に呼び出して相談を受けた後、隣室の教材準備室で着替えを促し、その様子を計5回盗撮した。

 10月5日朝、特別教室から出てきた教諭を不審に思った同僚が確認したところ、教材準備室で穴の空いた段ボール箱からタブレット端末が見つかった。

 校長らの聞き取りに対し教諭は「少しぐらいならという心の緩みがあり、出来心でやってしまった。普通なら見ることのできないものを見て、一時的な満足感が得られると考えた」などと話したという。

 教諭のスマホやタブレットに盗撮した動画は残っておらず、「撮影後、その都度消去していた」と説明。現時点でデータの流出は確認されていないという。学校側は同11日、所轄の警察署に相談した。

 阿久澤真理(あくさわしんり)県教育長は「子どもの人権を著しく侵害する許されない行為であり、ざんきの念に堪えない。これまで以上に研修等を充実させ、不祥事の撲滅と信頼回復に努める」とのコメントを出した。

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