「被爆ピアノ」県内初演奏 平和祈り宮崎市民出演

被爆ピアノコンサートを企画した退職教職員と出演者の小学生や高校生ら

 原爆被害に遭いながらも、修復されて音色を取り戻した「被爆ピアノ」のコンサートが13日、宮崎市のメディキット県民文化センターである。誘致を進めてきた関係者は「被爆ピアノの演奏は県内で初めて。多くの人に平和について考えてほしい」と話している。
 コンサートは宮崎、日南地区の退職教職員協議会などでつくる「被爆ピアノを聴く会」が企画した。1945年8月6日に広島市で被爆したピアノを修復し、国内外で演奏会を開いている調律師矢川光則さんを招待。若い世代に平和への思いを継承する願いを込め、県内からは宮崎市・大宮小合唱部と平和活動に取り組む若者グループ「HuRP(ハープ)」の高校生4人もステージに立つ。
 大宮小合唱部は、広島市で被爆したアオギリの種から育った木が校庭にある縁で出演。「いのちの歌」「折り鶴」など4曲を歌う。部長で6年の甲斐凛子さん(12)は「コロナ禍もあり、限られた時間で練習してきた。歌声を通して『戦争は絶対にいけない』と伝えたい」と意気込む。
 HuRPの4人は、原爆を体験した人が書いた詩の朗読などを披露。同グループ代表の石川浩美さん(16)=門川高2年=は「若い世代が平和の尊さを知り、伝えていく機会にしたい」と話す。
 チケットは全席自由。一般千円、学生500円。未就学児無料。県民文化センターやコープ宮崎、県教育会館などで販売している。同会事務局の早瀨順子さん(電話)070(5534)9480。

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